おととい(2013年9月8日)、2020年に東京でのオリンピックとパラリンピック開催が決定した。しかしレスリングやフェンシング、テコンドーなどの競技会場やメインプレスセンターとして、東京都江東区有明の「東京ビッグサイト」が使用されることから、“2020年のハムフェアは従来どおりの開催はできないのではないか?”と心配する声が一部で上がっている。
【hamlife.jp注釈】この記事は東京で2020年のオリンピック・パラリンピック開催が決定した直後の2013年9月10日に掲載されたものです。ハムフェアの開催など、その後の動きと一致しない部分があるかもしれませんが、当時の記事本文に修正は加えておりません。
2002年以降、アマチュア無線フェスティバル(ハムフェア)は、8月下旬の土日の2日間、東京都江東区の「東京ビッグサイト」の西館ホール1・2で開催されている(さらに遡れば1996~1998年の3年間も同会場で開催)。
しかしオリンピック・パラリンピックの東京招致が実現したことで、2020年--場合によるとその前年の2019年も--のハムフェアが、従来と同条件では開催できないのでは?と心配する声が上がり始めている。その理由はこうだ。
■2020年、東京ビッグサイトでのハムフェア開催が懸念される理由
(1)招致計画によると、東京でのオリンピックは2020年7月24日(金)~8月9日(日)の開催、パラリンピックは2020年8月25日(火)~9月6日(日)の開催。
(2)東京ビッグサイトは東京都の所有で、オリンピック・パラリンピックの期間中、各種の競技が行われたり、国際放送センター、メインプレスセンターとして利用される。
<オリンピック>
・ホールA:レスリング会場
・ホールB:フェンシング、テコンドー会場
・施設内の約143,000平米:国際放送センター、メインプレスセンターに割り当て
<パラリンピック>
・ホールA:パワーリフティング会場
・ホールB:ボッチャ会場
・施設内の約143,000平米:国際放送センター、メインプレスセンターに割り当て
(3)JOCの招致計画書に「東京ビッグサイトの所有者は東京都であることから、当施設の利用と開発は保証される。大会組織委員会が占有できる開始時期は、2019年7月からである」とある。
(4)JOCの招致計画書によると「東京都は2020年大会のために、既設の西展示棟南側に延床面積約44,000平米を増築する予定である」とあり、2018年2月からの着工が計画されている。
つまり、ハムフェア会場の「東京ビッグサイト」は、オリンピック・パラリンピックの競技会場と国際放送センター、メインプレスセンターとして使用され、2018年2月からは一部の増改築工事が行われる上、開催1年前の2019年7月以降は大会組織委員会が占有でき、両大会終了後は従前の国際会議・展示施設として使用することが明記されている。
さらに例年、ハムフェアが開催される8月下旬の土日が、2020年の場合は「8月22・23日」か「8月29・30日」となる。この日程だとオリンピックは終了しているものの、パラリンピックの開幕直前、もしくは開催中というスケジュールになってしまうのだ。
仮に西館のホール1・2が、競技会場や国際放送センター、メインプレスセンターとして使用されなくても、セキュリティの問題から、この期間に一般のイベント(しかも無線電波を使用)を開催することは難しいのではないか…というのが、心配する声の論拠である。
今のところJARL側に動きはないが、いずれ2019/2020年のハムフェアの開催日や会場について確認、検討するタイミングが来るかもしれない。
●関連リンク:東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会
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