アマチュア無線家なら、ヤフオクの「アマチュア無線」カテゴリに出品された機器は気になる存在だろう。しかし1970年以前の無線機となると出品は少なく、とくに程度の良い物は非常に珍しい。ところが今回、状態の良い「元箱」や、オリジナルの取扱説明書がついた、1960年代の無線機セット13点がまとめてヤフオクに出品され、アマチュア無線家たちの注目を集めている。
今回、「アマチュア無線機セット 全13点【中古品・通電確認のみ】」としてヤフオクにアップ(スタート価格は7万円に設定)されたのは、トリオ(現・JVCケンウッド)のTX-88D、9R-59D、VFO-1、CC-26、SM-5D、SP-5Dという、1960年代後半から1970年代前半に一世を風靡した、HF~50MHz帯AM/CW送受信機「59D/88Dライン」の各機器と、同社のオールバンドSSBトランシーバーの先駆けの一台となったTS-510と外部電源のPS-510、そしてスタンドマイクやヘッドホン、LPFなどのセットである。 とくに出品写真で驚かされるのが「元箱」の美しさだ。元箱付きの出品はあっても、ほとんどは輸送に使った伝票が貼られていたり、ガムテープの痕が残っていたり、経年変化でボロボロの状態になったもの。しかし、今回の出品機器の箱は、約45年前に無線ショップで売られていた時の様子が伝わってくる良好な状態。写真を見る限りは経年変化による色あせや日焼けも少なそうだ。しかも多くはオリジナルの取扱説明書付き(9R-59DとTX-88Dの取説がないのが惜しまれる)。 また出品者による説明文には「通電確認のみですので、ジャンク品としての出品です」との注意書きがあるが、“通電を確認している”(電源が入る)というのも、ある意味で貴重だろう。 「59D/88D」のフルラインとTS-510や周辺機器が、元箱つきでまとまって出品されるのは、この先ほとんどないかもしれない。ヤフオクは10月7日にルールが変更され、誰でも無料で入札に参加できるようになった。今回の出品にどれぐらいの入札数が集まり、最終的な落札価格がいくらになるか注目してみたい。
●出品リスト13点(同Webサイトから) ・SSBトランシーバー「TS-510」取説あり ・電源部・スピーカー「PS-510(AC)」取説あり ・通信型受信機「9R-59D」取説なし ・ハム用送信機「TX-88D」取説なし ・プリセレクターコンバーター「SM-5D」取説なし ・クリスタル・コンバーター「CC-26」取説、箱なし ・通信型受信機用スピーカー「SP-5D」取説なし ・オールバンドVFO「VFO-1」取説あり ・ヘッドフォン「HS-4」取説あり ・マイク「TW-205A」取説あり ・送信機用BCI TVI防止ローパスフィルター「LF-60」取説あり ・SWR&パワーメーター「SWR-200」取説あり ・単一指向性ダイナミックマイクロフォン「DM-48」取説あり
<10月23日追記>
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