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【特別寄稿】相互運用協定のこれまで~一歩進んだアマチュア無線家をめざして<第6回>

外国とのアマチュア無線資格の相互認証(いわゆる相互運用協定=レシプロ)の締結先が久しぶりに増えた。9月29日にニュージーランド(ZL)、10月21日にはインドネシア(YB)との相互認証が施行された。そこで、アマチュア無線のコールサインや法制度研究の第一人者、JJ1WTL 本林良太氏の特別寄稿により、レシプロ制度に分析するとともに、これまでの外国人の日本での運用手段を振り返る。今回はその第6回目だ。

 日本で運用する外国人ハムに対するレシプロは1985年にまずアメリカと締結された。その後は少しずつ締結国が増えていったことは前回説明したが、1993年になると「二段階」での改正が行われた。

●国籍条項の撤廃
 まず最初は、日本の無線従事者免許を有してさえいれば、国籍を問われることなく、アマチュア局の開設が可能となった(1993年6月16日)。
 これ以前は、たとえ日本の無線従事者資格を持っていようとも、レシプロ対象国のハムにしか開設が許されていなかった。それがこのときに「レシプロ対象国以外の国籍のハム」であっても、アマチュア局の開設が認められることになった。
 念のためだが、この段階ではまだ「日本の無線従事者の資格を取れば」という前提の話である。電波法の改正箇所を見るとたしかに、「もうレシプロ対象国以外の人でも開局していいです」と、緩和されているのがわかるだろう。
 このとき、外国人が主導権を握る--たとえば代表者を務める--社団局を立ち上げることもできるようになった。

 

1993(平成5)年6月16日の官報より

1993(平成5)年6月16日の官報より

 

 そして4か月後の1993年10月5日には、“いずれかのレシプロ対象国の免許を持ってさえいれば、その国籍以外の者でもアマチュア局の開設が可能”になったのだ。  改正前後の施行規則で参照してみよう。 改正前にはこのように、「免許した国=国籍」の制約があった。

 

1993(平成5)年6月16日の官報より

1993(平成5)年6月16日の官報より

 

しかし1993年10月5日の改正時には、その制約がガッサリと削られているのだ。

 

1993(平成5)年10月5日の官報より

1993(平成5)年10月5日の官報より

 

 この改正以降、そのまま現在に至っている。もう一回まとめると、現在では「日本の無線従事者免許」か、「いずれかのレシプロ対象国のアマチュア無線免許」を持ってさえいれば、国籍を問わず、日本で運用・開局ができる。

 例えば10月5~7日に開催された「2013 SEANETコンベンション横浜」には、東南アジア各国からの来訪者があった。 しかし、開催時点でレシプロが締結されている国は、その地域では皆無だった。こういった場合でも、もしその来訪者がアメリカ(一例)の免許を持っているのであれば、その東南アジアのハムは日本で運用・開局ができた。

 

●アメリカの免許で開局する日本人も登場

 国籍不問--これを逆手に取って話題となったのが「アメリカのアマチュア無線免許(資格)で、日本国内で開局する日本人」だ。

 アメリカのアマチュア免許試験は“クエスチョンプール制”が取られている。 つまり出題範囲は明示されており、それ以外の問題は一切出ない。 これをしっかり勉強すれば、最上級の「Amateur Extra」を得ることもできる(試験はもちろん英語。ほかにモールスの受信試験あり)。

 アメリカのアマチュア無線試験は、当時から米国渡航予定者向けにボランティアチームにより日本国内でも開催されていた。一方で、日本の一アマ試験には、まだ「和文電信の受信」があった。
 アメリカのアマチュア無線試験の受験には一定の条件がある(米国への具体的な渡航予定、郵便物の届く米国内の住所があるか、など)。努力の結果、試験に合格しAmateur Extraを取得すれば、日本の一アマ相当とみなされ、日本国内で1kW局を開設することも可能となる。もちろん合法である。

 ところで、日本の無線従事者免許は終身有効だが、アメリカの免許は日本でいう無線従事者免許と無線局免許とが一体化したようなもので、有効期間が10年間だ。したがって、母体となっているアメリカの免許の残存期間によっては、通常日本で得られる「5年」の無線局免許期間が得られないことも起こりうる。

 

 次回は、レシプロを持たない外国人でも日本国内で運用できる場合が稀にある。その話題を紹介していこう。

 

寄稿:JJ1WTL 本林良太

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