米国3大テレビネットワークの1つ、ABCがハムを主人公にしたテレビコメディ、「Last Man Standing」を放映中だ。俳優ティム・アレンが演じる主役、「マイク・バクスター」のコールサインが「KAØXTT」という設定になっており、妻の昇進後、3人の娘たちなど女性ばかりの家族に振り回されるマイクのエピソードが毎回描かれている。
このコメディの制作プロデューサーが、NN6JA ジョン・アモデオ氏であると聞けば、あまり驚きはないかもしれない。制作スタッフにはほかにも数人のハムがいる。The Greater Los Angeles Amateur Radio Group (GLAARG) VECの協力により、番組放送中にもその人数は増えつつあり、11月9日の試験後は従来より8名増えて Technician級14名、General級1名、Extra級2名となっている。
11月22日夜放送予定の「感謝祭」のエピソードでは、マイク・バクスターがシャックで無線局を運用する場面がシリーズで初めて放送される。応答には、何百人もの本物のハムの声をパイルアップ風に合成した音が使われるという。10月半ばに収録されたこのエピソードは、感謝祭のディナーに招かれた自宅いっぱいの客から逃れ、孫と一緒に地下室のシャックにいるマイクが無線を運用するという設定だ。(ARRLニュース 11月13日 ※許可を得て翻訳転載/(C)ARRL)
【追記11/15】
このドラマ「Last Man Standing」について、「ハムのラジオ」の番組ディレクター、吉原 啓氏(JA1WTO)から情報が寄せられたので、以下に紹介しよう。
ドラマの主人公は「KA0XTT」と、もっともらしいコールサインですが、このコールはアメリカでは、規則により割り当てられない、架空のコールサインだそうです。また、Mike Baxterの娘、Mandy Baxterもコールサインを持っており、「KF0XIE」との設定となっているようです。
さらに、ドラマで出てくる設備は実際に運用可能で、普段はセットの天井にアンテナが設置してあります。2012年の10月には「K6H」のコールサインで、このセットから、実際の記念局運用が行われました(番組主導で記念局を申請したようですが、さすがにそこはちょっと問題があったようで、地元クラブ局による記念局運用となったようです)。その際には、スタジオの屋上にアンテナを設置したようです。
ドラマセットの壁には、各種アワードが飾ってありますが、発行元の協力で作成されたとのことです。またKA0XTTはQRZ.COMに登録があり、世界中のハムからKA0XTTへ送られたQSLカードは、Youtubeのビデオとして紹介されています(YouTubeのIDは、MikeBaxterKa0xtt)。
アメリカ人のこういうジョークというか、本物志向で“やるなら本格的に”というところが、私は好きです。
ハムのラジオ 吉原 啓
●関連リンク:
・「TV Show Featuring Fictional Ham Sparks Crop of New Hams」(無線シーンの写真あり)
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