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<写真で見る>短波放送局ならではのアンテナ群、ラジオNIKKEI「長柄送信所」と「根室送信所」の全貌

日本で唯一の民間短波放送局「ラジオNIKKEI」(旧社名:日本短波放送、旧愛称:ラジオたんぱ)。短波帯を使用して日本全国をサービスエリアにした放送を行うため、千葉県長生郡と北海道根室市の2か所に送信所を設置している。そこではどのようなアンテナを使用しているのだろうか。hamlife.jpによる現地取材で紹介しよう。

 

 

ラジオNIKKEI(会社名:日経ラジオ社)の長柄送信所の正面。敷地内は美しく手入れされている

ラジオNIKKEI(会社名:日経ラジオ社)の長柄送信所の正面。敷地内は管理者により美しく手入れされている

 

 

<hamlife.jpよりご案内>
この記事は2014年1月に掲載されたものです。同局はその後2018年10月から9MHz帯の放送を休止し、6MHz帯を中心とした放送体制に改めています。記事内容が最新のものではないことにご注意下さい。

 

 

 ラジオNIKKEIは「第1放送」と「第2放送」の2つのプログラムを放送している。周波数は第1放送が3.925MHz、6.055MHz、9.595MHz、第2放送は3.945MHz、6.115MHz、9.760MHzで、いずれも房総半島中央部の、千葉県長生郡長柄町にある「長柄送信所」から50kW(一部10kW)で送信を行っている。

 

 ただし第1放送の3.925MHzだけは、首都圏の冬季・夜間のスキップ対策のため、北海道根室市の「根室送信所」から10kWで同時送信している。周波数とコールサイン、送信出力の関係は下表のとおりだ。

 

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ではまず、同社の主力である「長柄送信所」の模様を紹介しよう。

 

<1 千葉県「長柄送信所」のアンテナ>

「長柄送信所」は1969年に開設。房総半島中央部の長生郡長柄町にあるダム湖「市津湖(しずこ)」の近くの丘陵部にある。尾根沿いに反射器付の折り返し水平ダイポールアンテナを6基と、予備用のアンテナ、東京タワーからのSTL回線を受信するためのパラボラアンテナなどが建設されている。

 

 中波ラジオ局の場合は垂直型の長い円柱(ポール)に給電するアンテナが多く、FMラジオ局の場合はタワー上に水平偏波の小型アンテナを複数配置するのが一般的だ。ワイヤー形式のダイポールアンテナを用いて送信を行うのは短波ラジオ局ならではと言えるだろう。

 

市津湖の対岸から望遠撮影した、長柄送信所のアンテナ群

市津湖の対岸から望遠撮影した、長柄送信所のアンテナ群。左が東京タワーと結ぶSTL回線のパラボラアンテナが固定された高さ48mの鉄塔

長柄送信所の局舎。内部は管理室、宿直室、送信機器室などに分かれ自家発電装置も設置。敷地内は警備会社による警備が行われている。木々に実った果実類は管理者が定期的に収穫し、本社に届けられるという

長柄送信所の局舎。内部は管理室、宿直室、送信機器室などに分かれ自家発電装置も設置。敷地内は警備会社による警備が行われている。木々に実った果実類は管理者が定期的に収穫、本社に届けられるという

送信機器室からアンテナに向かう給電線。2線式のものが3組見える

送信機器室からアンテナに向かう給電線。2線式のものが3組見える

敷地内に立つ「お知らせ」の看板(左は「ラジオたんぱ」時代のもの)。周囲はほとんどが山林で、一部に別荘地とキャンプ場がある

敷地内に立つ「お知らせ」の看板(左は「ラジオたんぱ」時代のもの)。周囲はほとんどが山林で、一部に別荘地とキャンプ場がある

丘陵部の細長い尾根沿いに、各バンドの水平ダイポールアンテナが設置されている

丘陵部の細長い尾根沿いに各バンドの水平ダイポールアンテナが設置されている

向かって右側が送信所からの給電線。左の2つの鉄塔間にダイポールアンテナが張られている

向かって右側が送信所からの給電線。左の2つの鉄塔間にダイポールアンテナが張られている

送信所を挟んで反対側の尾根にもアンテナを設置している

送信所を挟んで反対側の尾根にもアンテナを設置している。こちらも平行2線式の給電線が3組見える

写真の中央部に折り返し式のダイポールアンテナを設置。上下左右の支線で固定している

写真の中央部に折り返し式のダイポールアンテナを設置。上下左右の支線で固定している

比較的長いアンテナを展開。給電は4線式?

比較的長いアンテナを展開。給電は4線式?

給電方法や碍子、ワイヤーの使用方法など、アマチュア無線家にも参考になる

給電方法や碍子、ワイヤーの使用方法など、アマチュア無線家にも参考になる

高さ48mの鉄塔。2基のパラボラアンテナは、東京タワーから送信される伝送回線(STL波:959.8MHz)の受信用だったが、本社が港区虎ノ門に移転したことを契機に伝送は光ファイバーに移行した

高さ48mの鉄塔。2基のパラボラアンテナは、東京タワーから送信される伝送回線(STL波:959.8MHz)の受信用だったが、本社が港区虎ノ門に移転したことを契機に伝送は光ファイバーに移行した

長柄送信所ではNEC製の「HFB-7847」という50kW真空管式送信機を5台設置している(ほかに10kW送信機も設置)。送信可能周波数範囲は3.2~15.6MHz、終段には蒸発冷却式の四極管、4CV50000Eを4本使用。変調方式はもちろん「終段プレート変調」である

長柄送信所ではNEC製の「HFB-7847」という50kW真空管式送信機を5台設置している(ほかに10kW送信機も設置)。送信可能周波数範囲は3.2~15.6MHz、終段には蒸発冷却式の四極管、4CV50000Eを4本使用。変調方式はもちろん「終段プレート変調」である

 

次ページでは北海道「根室送信所」のアンテナを紹介!!

 

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