山形カシオ株式会社は、超音波を使用し水中で音声会話ができるポケットサイズの「ダイブトランシーバー」としてLogosease(ロゴシーズ)を昨年から発売中だ。使用周波数は32/36/40kHzという長波帯(メーカーは「超音波」と表記)が採用され、帯域はチャンネルによってLSBとUSBが切り替わるSSBモード。同社の説明によると、「日本国内での超音波水中利用の法規制はない」という。
Logosease(ロゴシーズ)は、多機能と拡張性のアドヴァンスドモデルの「LGS-RG004」(59,800円+税/1台)と、会話に特化した2台セットのベーシックモデルの新製品「LGS-RG005BA」(76,000円+税/2台)の2タイプが用意されている。どちらも骨伝導マイクが採用され、スピーカーはマグネチック型骨伝導タイプ、アンテナはセラミック圧電素子。送受信切り替えにVOX機能も装備している。
同社が発表したスペックによると、水深40m以上まで使用でき、水中では対向時最大50~100mの音声通話が可能。使用周波数はタイプによって32kHzのみの1chモデルと、32/36/40kHzの3ch搭載モデルがある。いずれも電波型式は帯域4kHzのSSB-AM方式を使用している(32/36kHzがUSBモード、40kHzがLSBモード)。カタログには「日本国内での超音波水中利用の法規制はありません」との文言があるが、陸上では使えないのか(※水検知で電源ON、1分間水に入っていないと電源は自動的にOFF)は記載されていない。
なお30kHz以下の超長波(VLF)帯は、対潜水艦通信に使われてきた歴史がある。超長波は海中深度10m程度まで到達するので、水面付近の潜水艦との通信に有効とされている。
同社ではこの製品を“世界初”として、一般的なレジャーダイビング装備(マスク/レギュレーター/スノーケル)のまま水中で会話ができると説明している。なお、実際の会話にはトレーニングが必要だということだ。またこの技術を応用し、警察や消防の水難救助隊向けに、通話可能範囲を1.5倍に拡大した製品や、アンテナを水中に投入することで陸上から水中との通話が可能な「陸上機」の販売も行っている。
●Logosease動画~技術説明編~(同社Webサイトから)
●関連リンク:
・カシオ公式オンラインショッピング「Logosease(ロゴシーズ)」
・カタログ「Logosease(ロゴシーズ)」(PDF形式)
・レスキュー仕様モデル~消防・警察の水難救助隊向け/水中と交信できる陸上機も発売~
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