1980年代のアイドル的な存在で、歌番組のほか俳優としてドラマや映画に数多く出演していた、故・沖田浩之さん(JI1TQE=当時)のQSLカードが発見された。沖田さんは小学校6年生のときにアマチュア無線技士の資格を取得。芸能界デビュー後の1981年にはTBS系の歌番組「ザ・ベストテン」に登場し、スタジオに設置したアマチュア機で“生交信”を披露したことも。また1987年公開の映画、「私をスキーに連れてって」には主人公の友人役で出演し、アマチュア無線の交信シーンもあった。1999年、36歳の若さで他界した。
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「沖田浩之」こと、置鮎広之さん(おきあいひろゆき=本名)のQSLカードをhamlife.jpに披露してくれたのは、JG3SKK 髙山氏。実は同氏はJI1TQEと交信したことはないという。「ある日、『ザ・ベストテン』を見ていて、アマチュア無線の免許を持っていることを知り、当時のコールブックで調べてSASEを送りました。交信はしていませんのでデータ記入面はサイン入りです」とのことである。
当時のコールブック(アマチュア無線局名録)は、JARL会員、非会員の有無に関係なく、コールサインと共に氏名や住所が記載されていた。コールサインを手掛かりに手紙を送ることは可能だったわけだ。突然届いたSASE(切手を貼った返信用封筒を同封)に対して、人気絶頂期にいた沖田浩之さんが直筆のサインを入れた自分のQSLカードをプレゼントしてくれるとは、几帳面さとアマチュア無線家を大切にする気持ちが伺える。
アマチュア無線家として、「CQ ham radio」誌1983年3月号の表紙を飾った沖田浩之さんは、ご両親もお兄さんもハムで、小学校6年生のときに養成課程講習会で資格を取得し、JI1TQEを開局したとインタビューに答えている。
ちなみに映画「私をスキーに連れてって」には、アイコムの2mハンディ機・IC-μ2などが登場。主人公の友人役で出演した沖田さんが交信するシーンも見られた。この映画の公開後、無線ショップには「映画に出てきた無線機が欲しい」と“指名買い”が相次いだというエピソードがウィキペディアに書かれている。映画がきっかけで個人の便利な連絡アイテムとして、アマチュア無線に注目が集まった時代だった。
【追記 4月21日】
QSLカードに印刷されていた大型のアメ車の車名について、情報協力を呼びかけたところ、茨城県のJL1JVT小池さんから 「フォードのマーキュリー・モナーク・ギアかと思われます。1975年頃の車ではないでしょうか」との情報が寄せられた。海外サイトで確認したが、グリルやCピラーの形状から、こ の車種に間違いないと思われる。
【募集! 有名人&著名人ハムのQSLカードを見せてください】
アマチュア無線技士の資格を持つ芸能人、有名人は多い。親がハムだったり、兄弟がハムだったり、単純に趣味で…と、理由はさまざまだが、テレビでよく見る人物が実はアマチュア無線技士の有資格者だったりするのは楽しい。
歌手の今井美樹(JE6FCM)は、実家が電気店を営んでいたことからハムの免許を取得したらしい。えなりかずき(7L4UPM)は両親共々アクティブなハムで、小学生のころに資格を取得。さらに大村 崑(JH3AHQ)、サンプラザ中野くん(JI1SYF)、辻 仁成(JA8PGZ)、優木まおみ(JM6CRT)などもハムだ。また芸能界以外ではマンガ家のさくらももこ氏(JI2EIT)、NHK解説委員長の柳澤秀夫氏(JA7JJN)、SF作家の野尻抱介氏(JQ2OYC)などもいる。また国会議員や県知事などにも多数のアマチュア無線家が存在するようだ。
ぜひ、有名人、著名人のアマチュア無線家のQSLカードをお持ちなら、hamlife.jpでご紹介いただきたい。もちろん、ご本人や所属事務所からの連絡も歓迎だ。連絡は電子メールで、メールアドレスは「joho@hamlife.jp」へ。
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