きょう5月24日の昼12時05分、鹿児島県の種子島宇宙センターから、陸域観測技術衛星の「だいち2号(ALOS-2)」を搭載したH-IIAロケット24号機が打ち上げられた。このロケットには「だいち2号」以外に4基の小型衛星が“相乗り”しているが、そのうちの1基、日本大学の「SPROUT」には430MHz帯のCWビーコンやトランスポンダーが搭載。パケットやデジトーカーのほかSSTVなどでも運用が行われ、受信報告者には記念カードの発行サービスも予定されている。
JAXAが打ち上げるロケットに「小型衛星」を相乗りさせる取り組みは以前から行われてきたが(1986年8月のアマチュア無線衛星・JAS-1「ふじ1号」もその一例だ)、最近は搭載する衛星の公募も行われるようになり、報道によると現在までに18基が打ち上げられているという。さらに今回の「だいち2号」では4基、2014年末打ち上げ予定の「はやぶさ2」でも3基が相乗りを予定している。
本日打ち上げ予定!「だいち2号」の相乗り衛星4基
・「RISING-2」東北大学、北海道大学
・「UNIFORM-1」和歌山大学ほか
・「SOCRATES」株式会社エイ・イー・エス、NICT
・「SPROUT」日本大学ほか
このうち、日本大学の「SPROUT」は、430MHz帯のアマチュア無線バンドで発射するビーコン、トランスポンダーを搭載(コールサイン:JQ1ZJQ)。以下の周波数で運用が行われる。受信報告を送ると記念のQSLカードを発行してくれるサービスも行うという。
★CWビーコン
ダウンリンク周波数:437.525MHz
ダウンリンク電波形式:A1A
送信出力:110mW
プロトコル:モールス符号
★FMパケット
ダウンリンク周波数:437.525MHz
ダウンリンク電波形式:F2D
送信出力:450mW
プロトコル:AX.25
★SSTV
ダウンリンク周波数:437.600MHz
ダウンリンク電波形式:F3F
送信出力:450mW
プロトコル:Sound
★デジトーカー
ダウンリンク周波数:437.600MHz
ダウンリンク電波形式:F3E
送信出力:450mW
プロトコル:Voice
このほか、144MHz帯をアップリンクとする「音声文字メッセージボックス(ダウンリンク437.600MHz)」や「カメラ撮影権の開放(ダウンリンク437.600MHz)」も今後行っていく予定という。詳細は日本大学のSPROUTのアマチュア衛星運用ページを参考にしてほしい。
【追記5月24日15時40分】
「Nihon-Univ.Operation Site」の情報によると、日大地上局のJQ1YGVは、衛星放出後初めてのパス(AOS 13:44:04、LOS 13:50:59)に、SPROUTからの電波(437.525MHz、CWモード)を無事受信した。
モールス符号で送られてくるビーコンの電文は「JQ1ZJQ SPROUT GO ***」というもの(G0以降のデータが衛星供給電圧の数字)。なお、米国やアルゼンチンなど海外のアマチュア無線家からも複数の受信報告があり,CWが正常に出力されていることが確認できたという。
●関連リンク:
・だいち2号特設サイト(JAXA)
・だいち2号打ち上げ生中継(YouTube)
・種子島宇宙センターライブカメラ(JAXA)
・SPROUT アマチュア衛星運用(日本大学)
・日大「すぷログ(SPLOG)」
・Nihon-Univ.Operation Site
・「だいち2号」に相乗りする4機の小型衛星(財経新聞)
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