一般社団法人日本アマチュア無線連盟(JARL)は、6月15日(日)に東京都新宿区のベルサール西新宿で「第3回定時社員総会」を開催する。すでに一般傍聴の申し込みは締め切られているが、総会が近づくにつれて明らかになってきた注目点などを挙げておこう。
JARLは2011年秋の一般社団法人化を機に、会員(正員)すべてに参加・議決の権利があった「通常総会」の制度を廃し、正員から選挙で選ばれた「社員」たち(定数138名)によって行われる、代議員制の「社員総会」へ移行した。
その第3回目となる定時社員総会が、6月15日(日)13時から、東京都新宿区にある民間の会議施設「ベルサール西新宿」で開催される。一般会員の傍聴申し込みはすでに5月1日で締め切られているが(既報記事)、総会が近づくにつれて明らかになってきた「注目点」などをいくつか挙げておこう。
★その1:TSS株式会社による訴訟問題
JARLの業務委託先だった「TSS株式会社」が、平成25年11月から平成26年11月の委託計算料等として、総額5421万6978円の支払いを求め、2月25日にJARLを提訴したことが第16回理事会で報告され、JARL Webでも明らかになったが、この訴訟の詳細や現在の進行状況について、社員からの質問が予想される。
★その2:理事候補者の選任について
JARLの役員・社員選挙は2年に1度行われている。
今年2~4月に正員を対象に実施された「平成26年通常選挙」の結果、JARLの理事候補者15名(地方選出10名、全国選出5名)が決定し、さらにJARL側が定款に基づき2名の候補者(いわゆる「ただし書き理事」)を追加した。この17名の候補者は、第3回定時社員総会の第2号議題で社員からの選任決議を受け、初めて理事への就任が確定する(この日の総会終了後から2年間が任期)。監事2名も同様の形式だ。
2年前の「平成24年通常選挙」の際は、選挙などで決まった理事候補者17名のうち4名の就任が、第1回定時社員総会で「否決」されるという事態が生じた。この時は理事会の決定で繰り上げ補充や再選挙が行われず、理事4名分は現在までの2年間空席のままとなっている(地方本部長が空席となった地域は、会長が“理事でない地方本部長”を委嘱)。
今回の理事候補者の中には、2年前の通常選挙の際に就任が否決された者が複数含まれている。一方、選任決議をする社員は2年前の第1回定時社員総会の際と同じメンバーだ。こうしたことから理事候補者17名の選任結果に注目が集まっている。
<選任対象となっている17名の理事候補者(敬称略)>
・JA1ELY 草野利一 (全国選出2位)
・JA1LVB 伏見美幸 (ただし書き理事)
・JA1SLS 玉眞博義 (ただし書き理事)
・JG1KTC 高尾義則 (全国選出1位) 現・理事
・JH1XUP 前田吉実 (関東地方選出)
・JA2GXU 土屋正道 (東海地方選出)
・JG2GFX 種村一郎 (全国選出4位)
・JA3HXJ 長谷川良彦(関西地方選出) 現・理事、副会長
・JH3GXF 安孫子 達 (全国選出3位)
・JA4DLF 綱島俊昭 (中国地方選出)
・JA5SUD 森田耕司 (四国地方選出)
・JA6BXA 河喜多 勝 (九州地方選出) 現・理事
・JA7AIW 山之内俊彦(東北地方選出) 現・理事
・JH8HLU 正村琢磨 (北海道地方選出)
・JA9BHE 柴田雄司 (北陸地方選出)
・JA9BOH 前川公男 (全国選出5位) 現・理事
・JF0JYR 高橋哲也 (信越地方選出) 現・理事
★その3:新会長、新副会長には誰が就任?
社員によって選任された新理事たちは、定時社員総会終了後すぐに別室で理事会を開催し、互選によって「新会長」と「新副会長」などを決定する。
JA1AN・原 昌三氏から引き継ぎ、2011年の一般社団法人化の時点からJARL会長を務めたJA5MG・稲毛 章氏は、明日の第3回定時総会終了をもって任期満了の勇退となるため、「誰が次のJARL会長になるか」は極めて高い注目点といえるだろう。
このほか、JARL側が明らかにした平成25年度決算書類(第1号議題)について「各項目の予算執行は適正だったか」「システム委託会社の変更に関連した経費支出の妥当性」といった点の議論も予想される。出席した社員たちによる活発かつ建設的な討議に期待する声は多い。
●関連リンク:
・第3回定時社員総会議案等について(JARL Web)
・JARLの組織(JARL Web)
・JARL Web
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