2005年の打ち上げから9年以上も動作を続けてきた、インドのアマチュア無線衛星「VO-52(VUSat OSCAR-52)」は、リチウム電池が機能しなくなったことから、7月21日に地上管制官によって永久に運用を停止させた。同衛星はSSB/CW用のトランスポンダーを2基搭載し、地球上空の低軌道を約5万回以上も周回し、多くのアマチュア無線家が利用した。
インド航空宇宙局(ISRO)のSubramani氏(VU2WMY/KJ6LRS)はVO-52のリチウムイオン電池が機能しないと伝え、衛星は7月21日に公式に利用停止された。 「ISROの関係者は、これまでVO-52が疲れを知らずに働き、世界中のアマチュア無線家の親友であったと願っている」と彼は語った。「VO-52はすべての関係者に愛されたと、我々は確信する。我々はこの損失をとても悲しみ、この衛星を決して忘れることはないだろう」
VO-52衛星は、その生涯において、最も人気のあるSSB/CW衛星の1つであった。トランスポンダーの1つは、ISROとAMSATインドからの援助をうけたインドのアマチュア無線家によって開発された。もうひとつのトランスポンダーは、オランダの大学院生でアマチュア無線家のWilliam Leijenaar氏(PE1RAH)によって開発された。
VU2MWYは、VO-52が廃棄される前にほぼ50,000回の軌道周回を完了したと言った。「7月11日から、彼女の生命回復と支援のため、あらゆる努力がはらわれた。私たちは、HAMSATの大成功に貢献されたすべての皆さんに感謝している」
VO-52の設計上の耐用年数は1年間だったが、実際には予想を遙かに上回る9年以上も動作し続けたのだ。 (ARRLニュース 7月21日付より抄訳 ※許可を得て翻訳転載/(C)ARRL )
●関連リンク:「India’s VO-52 Satellite Goes Dark」(ARRL NEWS)
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