一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)が、財産保全を目的として1973年に購入した長野県茅野市内の土地、3,294平方メートル(996.43坪)が、大手不動産販売会社の仲介により2,450万円で売りに出されている。同連盟が取得後すでに40年以上経過しているが、これまで一度も活用されたことがないという。
この土地の所在地は長野県茅野市玉川字原山11400番地。工業団地に隣接した林(地目は原野)で登記上の面積は3,294平方メートル。東京ドームのグラウンド約1/4という広大なものだ。
JARLは1973(昭和48)年、インフレ下の財産保全を図る目的で、約3,000万円程度の不動産を購入することを理事会で決定。土地選定から購入までの全権を一任した「臨時財務委員会」を発足させて検討の結果、この土地を2,393万円で購入。しかしその後「土地購入が財産保全の最良策なのか」「どうして茅野市の原野にしたのか」「理事会決定で土地購入が行えるのか」「決定に至るプロセスが一般会員によく知らされていない」といった疑問や意見が一般会員から噴出し、1974年5月に愛知県名古屋市で開催された第16回JARL通常総会が大荒れとなる一幕もあった。
そのためかJARLは、取得した土地の活用をまったく行ってこなかったが、一般社団法人への移行を前にした2011年に理事会で売却を決定。現在は大手不動産会社である三菱UFJ不動産販売の仲介により、2,450万円で売りに出しているところだ。
この土地売却については、元JARL副会長で昨年末に逝去されたJA3HXJ・長谷川良彦氏が、2011年当時のブログに、アマチュア無線家らに売却が訴求されていない現状を懸念し「買ってください」というタイトルで思いを綴っている。
土地の様子はGoogleマップのストリートビューで確認できる。よく見ると林の中に朽ちかけた「社団法人 日本アマチュア無線連盟 用地」という看板もある。40年以上前に立てられたものだろうか?
なお、土地の購入は資金が用意できれば個人でも可能で、三菱UFJ不動産販売のWebサイトには工場、倉庫、別荘などの建設も可能と記載されている。
交通は中央自動車道「諏訪南IC」から約12km(車で約20分)、JR中央本線の茅野駅から約8km(タクシーで約20分)。上原山林間工業公園の「シントク株式会社 八ヶ岳工場」に隣接。大自然に囲まれたJARLゆかりの土地に別荘やアンテナファームを立てるのはいかがだろう。
●関連リンク:
・茅野市玉川 土地2,450万円(三菱UFJ不動産販売)
・ストリートビュー:茅野の土地(CIC:JJ1WTL・本林氏のブログ)
・隣地にある「シントク株式会社 八ヶ岳工場」のアクセスMAP
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