2月20日、オーストラリアの北東部クイーンズランド州沿岸に、猛烈なサイクロン「マーシャ」が上陸した。サイクロンの強さを示すランクで最も高い「カテゴリー5」に発達し、風速80メートルを超える強風や高潮の恐れがあり警戒している。セントラル・クイーンズランド・アマチュア無線協会 (CQARA) と、アマチュア無線家のボランティアはHF帯やVHF帯で通信を行った。
このサイクロンは上陸後、建物の屋根を飛ばしたり、倒木、送電線切断など大きな被害を与えている。IARU 第3地域・災害非常通信委員会のジム・リントン会長(VK3PC)によると、州都ブリスベーンから北に約670キロ離れたイェプーンの町では風速70mの強風で、「被害の全貌を語るにはまだ早い」と述べている。
CQARAのボランティアは、40mと2mで情報収集のため精力的に運用を行っている。そのほか、無線研究所の市民緊急ネットワーク(WICEN)が、非常通信をサポートするために待機している。
また、クイーンズランド州の海岸の島々に残っていた観光客は避難所に避難している。同国のニュースメディアによると、多くの住民が電気がないまま残され、数日は電源がつながらない見通しだ。非常事態マネージャーは、水の使用はどうしても必要なときだけにするよう住民に求めている。また地元の空港は洪水のため閉鎖されている。
その後マーシャは勢力を弱めながら南下し、カテゴリー1に格下げされた。(ARRLニュース 2月20日付 ※許可を得て抄訳/(C)ARRL )
●関連リンク:Australian Hams Respond Following Severe Weather(ARRL NEWS)
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