「筑波大学システム情報工学研究科知能機能システム専攻視覚メディア研究室」という、国立大学の研究室が、「NHKだけ映らないアンテナ」の開発を発表した。これはNHKの地上デジタル放送（関東広域圏）に使われているUHF26chと27chの帯域を遮断し、NHKだけ映らなくするノッチフィルターの研究で、その成果は4月25日（土）と26日（日）に千葉県千葉市の幕張メッセで開催される「ニコニコ超会議2015」の中で、「第8回ニコニコ学会β」として発表される。
研究を行った筑波大学視覚メディア研究室によると、「NHKは地デジ技術の特許を多数所有しているため、知財権の制約によりNHKが映らない地デジ対応テレビを国内で販売することはできない」として、「しかし、アンテナは知財権の制約のない古い技術の組み合わせで実現可能である。本発表では関東広域圏のスカイツリーからの電波について、NHK以外の放送が映る状態を維持しつつ、NHKだけ映らなくするアンテナフィルタの製作方法を述べる」と説明している。
●NHKカットフィルタ実演（動画）
すなわち同軸ケーブルの間にシャープな共振型ノッチフィルターを投入することで、NHK以外の放送が映る状態を維持しつつ、NHKだけ映らなくするというもの。ただし放送法ではNHKの受信料について「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」とあり、アンテナと受像機間にノッチフィルターを入れても、支払いを免除されるものではないとの見方がある。また家庭にテレビ受像機がない場合も、保有する携帯電話やスマートフォンでワンセグテレビが受信できたり、保有する車両のカーナビに地デジテレビの受信機能がついている場合は受信料の対象となる。
すでに、「最も高確率にNHKの2放送を同時に遮断できることが確かめられた」という説明どおり、YouTubeやニコニコ動画などに、実験を行った様子の動画が公開されている。
今回研究成果を募集した「ニコニコ学会β」とは学会とはいうもものの、“研究成果ができたら、人に伝えたいですよね”というユーザー参加型研究の発表の場でもある。「β」は、学会未満の存在であることを表すと同時に、ユーザーの参加によって初めて学会として成り立つことを意味するということだ。
なお、Amazonではこれらのフィルターがすでに販売されている。詳しくは下記の関連リンクから確認してほしい。
iranehk ＢＳカットフィルタ― (BS-15ch用) IRANEHK-31BS15
iranehk 関東広域圏向け地上波カットフィルタ― (UHF26,27ch用) IRANEHK-AK27AB26N
●関連リンク：
・研究してみたマッドネス 応募者紹介No.13 #ニコニコ学会「NHKだけ映らないアンテナの開発」筑波大学視覚メディア研究室（ニコニコ学会β）
・ニコニコ学会βとは（ニコニコ学会β）
・筑波大学システム情報工学研究科知能機能システム専攻視覚メディア研究室
・研究してみたマッドネス＆ポスターセッション発表者大募集中!!!!（ニコニコ学会β）
・ニコニコ超会議2015（ニコニコ超会議 実行委員会）
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