10月4日から7日まで、日本最大のIT・家電関連の展示・商談会「CEATEC JAPAN 2016」が千葉県千葉市の幕張メッセで開催された。会場はいま話題のIoT(Internet of Things)の出展ブースを中心に、多くの来場者で賑わった。その中で無線ファンが注目したのは、古野電気株式会社から発売された、142MHz帯を使用する動物検知通報システム用特定小電力無線局「Dog Navi(ドッグナビ)」だ。狩猟犬に装着することをコンセプトに、GPSで猟犬の位置が地図上に表示され、さらに鳴き声(音声)も聞こえるという優れものだ。
船舶用をはじめとする電気機器メーカーの古野電気株式会社は、日本初となる技術基準適合証明を得た狩猟用GPSマーカー「Dog Navi(ドッグナビ)」を2014年秋に発売した。しかし“狩猟家たちのニーズを十分満足できる仕様ではなかった”という。
そこで同社ではニーズを満たすべく多くの利用者の声を聞き、改善したのが、今回出品した「Dog Navi バージョン2(狩猟者側受信機:HT-01/猟犬側送信機:DG-01)」である。
改良点の大きな特徴は「高性能アンテナ(従来比1.5倍を実現)」「検索モード」「中継機能」「狩猟用詳細マップ」などだ。
とくに、地図モニターが付いている受信側の狩猟者端末「HT-01」に脱着できるアンテナが、用途に応じて、ヘリカルアンテナのショートタイプとロングタイプ、そして腕などに巻いて使用するというラジアル(ワイヤー状)タイプの3タイプを標準で装備している。
特定小電力無線局の中で、2008(平成20)年に追加された「動物検知通報システム用」は、最大出力1W、周波数は142.94/142.95/142.96/142.97/142.98MHzの5波が割り当てられている。もともと野生動物の生態調査を目的に制度化されたものだが、技術基準改正により猟犬のドッグマーカーにも用途が拡大した経緯がある。
これまでドッグマーカーと言えば、海外製品を国内で使用するケースが多くみられ、不法局の開設として電波法違反容疑で検挙されることもあったが、この製品に関しては国内電波法に適合している。
なお、月刊「ラジオライフ」誌などを刊行する株式会社三才ブックスから、狩猟専門誌「けもの道」が9月に発刊され、「Dog Navi バージョン2」に関して6ページに渡り詳細に紹介している。興味のある方は一読をおすすめる。本書の購入は下記リンクからAmazonの通信販売が便利で確実だ。
●関連リンク:
・ドッグナビ/Dog Navi(古野電気株式会社)
・動物検知通報システム用特定小電力無線局(ウィキペディア)
・CEATEC JAPAN 2016
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