TBSテレビ系で毎週日曜日の21時から放送されているドラマ「小さな巨人」。警視庁本庁と所轄の警察署との確執を扱った硬派ドラマとして注目を集め、高視聴率をキープしている。同ドラマの中で、主人公の香坂真一郎(長谷川博己)が勤務する警視庁芝警察署の刑事部屋に30年前の懐かしいアマチュア無線機が置かれ、無線ファンの間で話題となっている。
このドラマは、警視庁捜査一課強行班一係長としてエリートコースを歩んでいた香坂が、ある失態から警視庁芝警察署へ異動(左遷)させられてしまったところから始まった。
ドラマでは主人公が転属された警視庁芝警察署の刑事部屋がよく映るが、主人公の机の後方には大型の無線機がマイクのない状態でセットされている。これは八重洲無線が1986年に発売した、HF~430MHz帯の高級オールモードトランシーバー「FT-767シリーズ」(FT-767SX/GX/GXX)だ。
FT-767シリーズはHFから430MHz帯までを1台でカバーした電源内蔵のオールインワンタイプ。流行の兆しを見せていたAX.25パケット通信にも対応したデータ端子を初装備し、HFのオートアンテナチューナーも内蔵するなど、この年に創業30周年を迎えた八重洲無線が技術の粋を結集した高級モデルとして登場した。
ちなみに10Wタイプの「FT-767SX」(267,000円)と100Wタイプの「FT-767GX」(287,000円)は50/144/430MHz帯のバンドユニットがオプション設定だが、最高級の100W機「FT-767GXX」(369,000円)はHF~430MHz帯をフル装備していた(V・UHF帯はいずれも10W出力)。高価な製品であったことから出荷台数もさほど多くはなく、なぜ30年前のこの機種がドラマに登場していたのかは謎である。
すでに2話まで放映されているが、香坂の上司として香川照之が演じる警視庁現捜査一課長など、敵対する脇役の個性が光り高視聴率をキープしている。
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●関連リンク:
・日曜劇場「小さな巨人」(TBSテレビ)
・民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」
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