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<JA局の“オフバンド問題”に対応>JT65通信ソフトウェア「WSJT-X」、最新版で3.5MHz帯の周波数設定を変更

「JT65」に代表される、パソコンを利用し小電力でDX QSOが可能な新モードが流行している。しかし使用する通信ソフトウェアは、80mバンド(3.5MHz帯)では日本のアマチュアバンド外の運用周波数が設定されている。そのためうっかりオフバンドで電波を発射し、電波監視を行う総合通信局から警告や行政処分を受けるケースが後を絶たない。こうした状況に対応するため、「JT65開発チーム」は、80mバンドの運用周波数を日本のアマチュアバンド内に収まるように変更し、新バージョンとなるソフトウェアの提供を始めた。

 

 

80mバンドの周波数設定が変更されたWSJT-X

 

 

 80mバンドにおけるJT65などの運用周波数の変更を行ったのは、ノーベル物理学賞を受賞した米国の宇宙物理学者、K1JT Joseph Taylor氏をリーダーとする「JT65開発チーム」だ。

 

 従来80mバンドは、JT65が3.576MHz、JT9が3.578MHz、WSPRが3.592.6MHzなど、いずれも日本の3.5MHz帯(3.500~3.575MHz)ではオフバンドとなる周波数が設定され、同チームが提供する通信ソフトウエア「WSJT-X」も、これらの周波数がデフォルトとなる仕様になっていた。

 

 しかし、日本でうっかりオフバンド運用を行い、総合通信局から警告や行政処分を受けるケースがここ数年相次いでいることから、同チームは80mバンドの運用周波数を変更し、JT65が3.570MHz、JT9が3.572MHz、WSPRが3.572.6MHz、新たに追加されたFT8が3.573MHzなど、いずれも日本の3.5MHz帯のバンドプランに収まるように改めた。今回公開されたWSJT-Xの新バージョン「Version 1.8.0-rc1」では、その変更が反映されている。

 

 

 この変更に関し、開発リーダーであるJoseph Taylor氏の説明を抜粋する。

 


Previous 80 m use of JT modes has done a disservice to JA operators, who
have no privileges on the current WSPR/JT65/JT9 allocations. To correct
this we have moved the allocations to a part of the band where JAs can
operate. Obviously this change will impact other non-WSJT-X users, so
for now we suggest that if you intend to operate on 80 m JT65/JT9/WSPR
then you manually change the working frequencies in WSJT-X
(“Settings->Frequencies”) back to the old allocations until a general
availability release of WSJT-X v1.8.0 is published. This will allow time
for other software teams to coordinate with us.


 

 今回の変更の背景には、現状では日本のアマチュア無線局は80mバンドで海外局と交信できないことから、「国際的に狭帯域デジタルに割り当てられた周波数帯内で、日本でも利用可能な周波数に移行して欲しい」と日本のアマチュア無線家が、JT65開発チームへその状況と要望を伝えたことと、それを受け入れ、5年以上使い続けた80mバンドの周波数を変更する決定をした開発チームの英断があったようだ。

 

 今後、新周波数に対応したソフトウェアの利用者が増えていくと、うっかり3.5MHz帯のオフバンドで電波を発射するケースの減少が期待できそうだ。

 

 

 

●関連リンク:WSJT-X

 

 

 

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