「電波法違反」。アマチュア無線家ならドキリとする言葉だろう。今、大手新聞社のニュースサイトでは、鹿児島県のテレビ局が“無線通信の秘密の保護”を定めた、電波法59条に抵触する可能性のある取材活動を行ったとされる問題を報じている。
報道を総合すると、電波法59条に抵触する可能性のある取材活動を行ったとされるのは、鹿児島県の県域テレビ局「鹿児島テレビ放送(FNN系列)」。同局は今夏に行われた全九州高校体育大会と全国高校総体に出場した鹿児島県内の高校を取材した際、他局のテレビクルーがワイヤレスマイクを使って取材していた監督の声(音声電波)を「受信機」で傍受。収録した映像と共に、その音声を2つの番組で計3回(約2分)使用したとされる。
一般的に、取材現場で使われるワイヤレスマイクは規格が決まっているため、取材用のテレビカメラに装着できる専用受信機などを使って他局のものでも傍受できる。
鹿児島テレビ放送は、無線通信の秘密の保護を規定した電波法59条に違反した可能性があるとして、8月21日に総務省九州総合通信局に自ら報告したという。
<参考>
電波法第59条(秘密の保護)
何人も法律に別段の定めがある場合を除くほか、特定の相手方に対して行われる無線通信(電気通信事業法第4条第1項又は第164条第2項の通信であるものを除く。第109条並びに第109条の2第2項及び第3項において同じ。)を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない。
罰則(電波法第109条2項)
無線通信の業務に従事する者がその業務に関し知り得た前項の秘密を漏らし、または窃用したときは2年以下の懲役または100万円以下の罰金を処す。
●参考リンク:KTSからのお詫び(鹿児島テレビ放送)
●いったん広告です: