かねてより携帯電話を使った不正受験が自動車運転免許の学科試験で相次いだため、警視庁では都内の運転試験場に「通信機能抑止装置」の設置を検討していた。これを受け、10月25日に関東総合通信局では、運転試験場では全国初となる携帯電話の通話を抑止する実験試験局を免許した。
携帯電話やPHSの電波を遮断する「通話抑止装置」は、2006(平成18)年より最大出力10mWの「実験試験用無線局」として免許されるようになり、すでに映画館やコンサートホール、大学などの受験会場、病院などで利用されている。
今回は、警視庁が自動車運転免許の学科試験で外部のメンバーから携帯電話を使って解答を知り、不正に合格していた中国人グループを摘発。同様に携帯電話を使った不正受験が相次いだため、9月2日に「10月中にも都内の運転免許試験場に抑止装置を設置する。府中、江東、鮫洲の計3か所の運転免許試験場の学科試験室に装置計8台を設置して、試験時間だけ運用する」と発表していた。
関東総合通信局によると、運転免許試験場での学科試験中の不正行為を防止する目的で、携帯電話などの通信を直接抑止する実験試験局の開設は全国初だという。
最近では、おれおれ詐欺などの被害を防ぐため、銀行などのATMの近くで携帯電話やPHSで通話ができないように抑止装置を設置する試みも始められている。
●関連リンク:
・関東総合通信局 運転免許試験(学科試験)時の携帯電話等の通話を遮断
・関東総合通信局 携帯電話等通話抑止装置のイメージ図(PDF形式)
・カンニング対策で電波遮断 運転免許試験場に装置設置(共同通信)
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