元日の午後2時過ぎに、海上保安庁が尖閣諸島魚釣島の南方沖で漂流している熱気球と、近くに浮いていた中国人男性を救助したというニュースが流れた。中国のネットで、実はその熱気球にはAPRS無線機が積まれ、コールサイン「BH3PZS-3」だったとの書き込みがあったというのだ。確かに洋上に軌跡があるが、これが話題の気球なのだろうか? 真偽のほどは確認できない。
報道によると、1月1日午後2時過ぎに、台湾の救難調整本部から海上保安庁に「中国人の乗った熱気球が魚釣島の南で行方不明になった」と救助要請があり、第11管区海上保安本部が捜索したところ、魚釣島の南方で熱気球と近くに漂流していた中国人男性(35歳)を救助した。
その熱気球にAPRS(Automatic Packet Reporting System)機能を搭載した無線機が積まれ、コールサイン「BH3PZS-3」でGPS位置情報を送り続けていたという書き込みが、中国のネットで話題になっている。
APRSとはアマチュア無線上でのパケット通信を応用して、リアルタイムで生データを配信する通信プロトコルのこと。APRS機能を搭載した無線機でAPRSを発信すると、GPSで取得した位置情報を元に、GoogleMapなどに無線機の位置をプロットすることができる。位置トラッキングで移動した軌跡をマッピングしてくれるので、該当するコールサインを入力すると、移動ルートがひと目でわかる便利なサービスなのだ。
確かに「BH3PZS-3」を入力してAPRSの地図で見ると、午後1時ごろに尖閣諸島沖の洋上にいたことがわかった。だが、尖閣諸島沖以外にも複数の地点が確認できるなど、これが話題の気球なのか、残念ながら真偽のほどは確認できない。
ちなみに「BH3PZS」はQRZ.comで確認すると、実在するコールサインのようで個人局らしい。
※1月3日午後4時現在、「BH3PZS-3」の軌跡は中国本土にある
●関連リンク:
・尖閣沖で遭難の中国人救助 熱気球で魚釣島上陸を計画(朝日新聞)
・熱気球着水とAPRSについても伝えている中国語Webニュースサイト(南海研究論壇)
●いったん広告です: