2014年6~8月、FNN系列の「鹿児島テレビ放送」が鹿児島県内の高校を取材した際、ワイヤレスマイクを使って他局クルーが取材していた監督の声(音声電波)を無断で受信、同局の番組に使用していた問題で(2013年8月31日記事)、「放送倫理・番組向上機構(BPO)」の放送倫理検証委員会は2月10日、「放送倫理違反」との意見を発表した。
2月10日、「放送倫理・番組向上機構(BPO)」は「放送倫理検証委員会 委員会決定 第18号」で、「鹿児島テレビ『他局取材音声の無断使用』」に関する意見」を発表した。
鹿児島テレビ放送が、南日本放送のクルーが取材で使用していたワイヤレスマイクの音声を無断で傍受し使用した問題で、取材・制作の過程は『適正』とは言えず、放送倫理に違反しているとし、放送倫理検証委員会は「電波法違反があったことは明白。編集過程で音声の無断使用をチェックすることができなかった制作体制にも問題があった」などと指摘した。
今回の鹿児島テレビの行為は、電波法59条に抵触する可能性のある取材活動だとして、hamlife.jpでは2014年8月31日付の記事、「電波法59条違反?--鹿児島テレビ放送、他局のワイヤレスマイク音声を無断使用」で伝えている。
また、総務省九州総合通信局は、この件が電波法59条に抵触したとしたと認定し、2013年10月25日に「『「ゆうテレビ』及び『チャンネル8』における問題への対応について」とした書面で厳重注意処分を実施。「今回の事態が貴社の番組の制作体制そのものに関わる問題であることから、再発防止に向けた体制の確立を要請するとともに、再発防止策について1か月以内に文書により報告されたい」と、鹿児島テレビに求めた経緯がある。
<参考>
電波法第59条(秘密の保護)
何人も法律に別段の定めがある場合を除くほか、特定の相手方に対して行われる無線通信(電気通信事業法第4条第1項又は第164条第2項の通信であるものを除く。第109条並びに第109条の2第2項及び第3項において同じ。)を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない。
罰則(電波法第109条2項)
無線通信の業務に従事する者がその業務に関し知り得た前項の秘密を漏らし、または窃用したときは2年以下の懲役または100万円以下の罰金を処す。
●関連リンク:
・鹿児島テレビ「他局取材音声の無断使用」に関する意見(放送倫理検証委員会 委員会決定 第18号)
●いったん広告です: