ヤフオクに「古い無線機まとめて10台 ジャンク品 144MHz アマチュア無線機」というタイトルで、モービル機やポータブル機の数々が1,000円スタートで出品されている。画像を見る限り、程度がイマイチのものもあるが、今となっては入手の難しい機種や、すでにアマチュア無線業界から撤退したメーカー、消滅したメーカーの珍しい機種が多く含まれている。
1970年代から1980年代にかけてのアマチュア無線業界は元気だった。多くのメーカーが参入し、新機種が次々に登場していた時代だ。その当時の50MHz帯、144MHz帯と430MHz帯のアマチュア無線機10機種+1が、ヤフオクに出品されている。出品リストを見ると、当時はアマチュア無線機を製造していた「日本電気(NEC)」のリグや、メーカー自体がなくなってしまった「福山電機工業」、いまは電機業界を離れてしまった「ベルテック」のリグもある。
例えばアイコム「IC-200」は、世界初のアナログ式PLLシンセサイザー搭載で144MHz帯を100chでフルカバーするモービル機。アイコムの無線機の歴史を語る上で外せない機種で、先日の「アイコムアマチュア無線フェスティバル in 東京」の特別講演で、創業者の井上徳造氏(JA3FA)がこの製品の思い出をたっぷりと語っていた。
また福山電機工業の「MULTI 8」+「MULTI-VFO」は、今はなき同社の144MHz帯モービル機とオプションの専用VFOである。とくに外付けVFOのほうは生産台数が非常に少なく、両方ペアで出ることは非常に珍しい。
さらに、当時カーオーディオーのメーカーだったベルテック製のリグも出品されている。同社の「W5400」は、操作性を重視しながらも高級感があるシルバーパネルが特徴。日本電気の50MHz帯AM/FMポータブル機「CQ-7100A」も珍しい。同じデザインで後年発売された「CQ-P6300」は流通量も多いが、その前身となる「CQ-7100A」は数が少ないのだ。ちなみに同社におけるアマチュア無線製品の第1号機、「CQ-7100」となると、さらに少なくなる。
このように、今となっては入手の難しい、珍しい機種が多く含まれている。外見上の程度は良いとは言えないが、パネルを薄い中性洗剤などでクリーニングするだけでも見違えるようになるだろう。
●出品リスト10機種+1(同Webサイトから)
・アイコム「IC-25」(通電OK ガリ多い 汚れやサビが出ています。マイク付き)
・アイコム「IC-270」( 注:前ユニットのみ 後部ユニット欠品 マイク付きだが動作未チェック)
・アイコム「IC-60」(通電のみ マイク付き)
・アイコム「IC-200」(通電のみ マイク付き 故障?動作怪しいです)
・トリオ「TR-2200G」(電源コードなし 動作未チェック マイク付き)
・トリオ「TR-7500」(通電のみ マイクなし)
・福山電機工業「MULTI 8」(電源コードなし 動作未チェック マイク付き)
・福山電機工業「MULTI-VFO」(電源コードありですが 未チェック マイクなし)
・ベルテック「W5400」(通電のみ マイク付き)
・日本電気「CQ-7100A」(電源コードなし 動作未チェック マイク付き)
・八重洲無線「FT-790R」(電源コードなし マイク付き)
●関連リンク:古い無線機まとめて10台 ジャンク品 144MHz アマチュア無線機(ヤフオク)
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