神奈川新聞と同新聞社のコミュニティーサイト「カナロコ」は3月30日、「マグロ船の安全支え80年 消えゆくモールス信号、三崎漁業無線局短波から撤退へ」という記事を掲載した。短波帯でマグロ漁などの遠洋漁船との通信を受け持ってきた神奈川県三浦市の三崎漁業無線局(JFC、みさきぎょぎょう)が、モールス通信を行っていた短波送信機の真空管が入手困難になったことなどから運用を取りやめることを報じたものだ。
報道によると、神奈川県水産センターの漁業無線局である「三崎漁業無線局」は、県営無線局として80年近い歴史があり、これまで漁船と陸上の船主との情報を中継や気象や市況などを漁船に伝えてきたが、衛星電話など通信技術の進歩と、短波送信機の真空管が十数年前に製造中止となり、メーカー在庫も2年前に尽きたことから、2014年3月31日で短波帯から撤退することを決定したという。
掲載された記事では、三崎漁業無線局で27年間通信を担当しているという船舶課の森氏が電鍵を叩いて電文を送信するシーンや過去のエピソードなどを紹介したほか、『今は無線局を経由しなくても陸と海とで交信できる衛星電話が普及。遠洋漁船自体の減少もあり、出漁中にモールス信号で同局に定時連絡をする船は11隻まで減った。「船の年賀状」などで知られる一般電報の取り扱いも、ピークの年間約20万通から約300通まで減少』と寂しい現状を伝えている。
この記事は下記関連リンクの神奈川新聞 カナロコで全文が読める。また神奈川県のホームページには、三崎漁業無線局の無線施設が写真入りで詳しく掲載されている。
●関連リンク:
・マグロ船の安全支え80年 消えゆくモールス信号、三崎漁業無線局短波から撤退へ(神奈川新聞 カナロコ)
・神奈川県水産センターの無線局施設(神奈川県ホームページ)
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