ハワイで進行中の「ハワイ宇宙探査模擬実験プログラム(The Hawaii Space Exploration Analog and Simulation、HI-SEAS)」の“火星ミッション”は、 1961年にソ連のユーリ・ガガーリンが宇宙飛行を行った記念日にあたる4月12日にアマチュア無線のスペシャルイベントを開始する。20時UTCから28.300MHzで運用が行われる。
火星ミッションに参加している2人のアマチュア無線家のうちの1人、 ロン・ウィリアムズ、N9UIK(もうひとりは、ロス・ロックウッド、VA6RLW)は今週、「チームの最初のアマチュア無線活動が、4月12日土曜日1900UTCに始まる」と言った。 チームはスペシャルイベント局「K6B」で呼び出しを求め、イベントの性質と目的を説明。火星と地球間の交信を模倣し、20分のタイムラグを設けながら交信を行う。
スペシャルイベント局「K6B」は2mのリピーター(VoIP接続)か、リフレクター9101にリンクされたWINシステムでWH6FM をコールする。K6Bはまたローカルの2mと70cmのリピーターでも送信する。さらに20:00UTCには28.300MHzで運用を開始する。
「火星と地球との距離から生じる伝達遅延と往復にかかる時間をシミュレーションするため、われわれが送信と受信の間の時間をとることを忘れないでほしい」とウィリアムズは言った。 この遅延は、インターネットでのコミュニケーションにも適用される。こうした遅延を強要する「K6B」の活動を「これまでに行われた、どんなアマチュア無線の運用イベントにもなかった独特なものになるだろう」とウィリアムズは言った。
K6Bが送信を行ったあと、オペレーターは無線機をオフにし、火星から地球、地球から火星という両方向20分ずつの遅延をシミュレーションする。 「その40分の間に、コントロールオペレータは、我々にコンタクトをとりたい局のコールサインを取っていく」と彼は言った。
「40分の終わりに、我々は無線機を再びONにする。コントロールオペレータがひとりずつに順々にハムを呼び出し、我々との信号レポートや情報などに聞き耳をたてる」。これらのコンタクトの確認応答は、自ら課した遅延なしで届く。
HI-SEASチームは、7月までの毎週土曜日、19:00UTCと20:00UTCに「K6B」をオペレーション予定だ。 実験は、ハワイ大学とコーネル大学によって行われている。 (ARRLニュース 4月9日 ※許可を得て翻訳転載/(C)ARRL )
●関連リンク:
・「HI-SEAS Project Inaugural Ham Radio Event Will Commemorate Gagarin’s Space
Flight」ARRL NEWS
・<通信に要する時間は1往復で40分!!>ハワイで行われる「火星滞在シミュレーション」でアマチュア無線が活躍(hamlife.jp)
・<4月12日からアマ無線運用も>「火星着陸」は3月28日、ハワイ宇宙探査模擬実験プログラム(HI-SEAS)
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