国際宇宙ステーション(ISS)滞在中の宇宙飛行士、若田光一氏(KC5ZTA)は4月13日、 ARISS用の「ハムビデオ」送信機とカメラの最終試運転を成功裏に終えた。この日はISSのコロンブス・モジュールから「OR4ISS」としてオペレーションし、フランスとイタリアの地上局がOR4ISSを追跡する中、若田氏はデジタル・ビデオとオーディオ信号を2395MHz帯で送信した。 地上局は約5分のパスの間、くっきりとしたビデオ画像とオーディオ信号をキャッチ。英国のアマチュアテレビジョンクラブ(BATC)はこの画像をインターネットでストリーミングを行った。
「これは“送信の空白”の終わりを迎えるということだ」と、ARISSヨーロッパ会長のガストン・バーテルス(ON4WF)は言った。 「ハムビデオの今後の使用に関して、まだ決定はされていない。 なにか進展があれば報告する」。
さる3月上旬に、NASA宇宙飛行士マイク・ホプキンス氏(KF5LJG)は、国際宇宙ステーション内での彼の最終任務行動の1つとして、ARISSのハムビデオ送信機とカメラをインストールし作動させた。彼もまたアマチュア無線のデジタルテレビ(DATV)を使って宇宙飛行士たちの画像を地上へ画像を送信する、ISSの最初のメンバーだった。
ARISS EU、AMSATイタリア、そして欧州宇宙機関(ESA)が率いるARISS プロジェクトは、最終的にビデオとオーディオのダウンリンク、さらにオーディオのみのアップリンクを提供することでARISSスクール コンタクトを強化する。
アマチュア無線のDATVシステム試運転とその準備は、ARISSの中での10年以上の計画や準備の集大成となる。 北米の学校とのARISSスクールコンタクトでハムテレビを使用する近々の計画はないが、数人の米国のアマチュア無線家がこの可能性を試していると、ARISS InternationalのFrank Bauer会長(KA3HDO)は言った。
「これが教育的な価値を示すのならば、米国でも採用されるだろう。」と彼は言う。ハムビデオ送信機は、DVB-S形式フォーマットで2.422、2.437、2.369および2.395GHzのダウンリンク周波数を使用(EIRPは10W)。2つのパッチ・アンテナ(ARISS 41とARISS 43)は、コロンブス・モジュールの最底部に取り付けられた。 (ARRLニュース 4月13日 ※許可を得て翻訳転載/(C)ARRL )
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