放送技術全般にわたる日本で唯一の研究所、NHK放送技術研究所(NHK技研)は、恒例となっている一般向けの研究発表イベント「技研公開」を、5月29日(木)~6月1日(日)に東京都世田谷区の技研本部で開催する。入場は無料、放送技術の最先端に触れる絶好の機会だが、今年は「1.2GHz帯の新デジタル方式ワイヤレスマイク」という気になる展示もあるようだ。
「NHK放送技術研究所」は、日本でラジオ放送が始まった5年後の1930年に設立。放送技術全般にわたる日本で唯一の研究所として、放送の進歩発展に関わる調査・研究を基礎から応用まで一貫して取り組んできたという。
毎年5月末には、同技研が行っている研究を一般向けに発表する「技研公開」というイベントを実施。無線家にとっても見応えのある展示発表となっている(過去には「Eスポによる海外からの放送電波の混信を除去する装置」の展示発表が行われたこともあった)。
今年のイベントの概要は次のとおりだ。
★「技研公開2014」の概要
・日時:5月29日(木)~6月1日(日) 10:00~17:00
・場所:NHK放送技術研究所
(157-8510 東京都世田谷区砧1-10-11)
・交通:
小田急線「成城学園前」駅南口からバスで約15分
東急田園都市線「用賀駅」からバスで約20分 ほか
※会場内の駐車場は利用できない
・入場:無料
・展示内容:
<一般展示>
「放送通信連携」「8Kスーパーハイビジョン」「次世代の放送デバイス」「立体テレビ」「人にやさしい放送技術」「高度番組制作技術」「放送現場で活躍する機材」「体験型展示」の8カテゴリー、全37展示
<研究発表/講演>
放送通信連携システムの機能拡張~ハイブリッドキャストの高度化に向けて~ など、5月29日のみ開催
<ポスター展示>
「4K/8Kカメラの解像度特性測定法」など9展示
<イベント>
・ガイドツアー(1日16回、所要時間1時間)、スタンプラリーなど
<8Kスーパーハイビジョンシアター>
5月29日13:30~17:00、5月30日~6月1日10:00~17:00に講堂で開催
なお展示の中には、国の周波数再編の方針により新周波数に移行することが決まった、放送用ワイヤレスマイク(特定ラジオマイク)として「1.2GHz帯」を利用したリニアPCM音声伝送(OFDM方式)ワイヤレスマイクの技術展示も行われている。周波数は元アマチュア無線バンドで現在はレーダー波と共用の「1240.150~1251.825MHz、1253.175~1259.850MHz」を使用(法定上限出力は50mW)することから、耐レーダー干渉機能を搭載。さらにデジタル方式でありながら低遅延という。これも一見の価値があるだろう。
●関連リンク:
・技研公開2014(NHK放送技術研究所)
・展示項目27 新デジタル方式ワイヤレスマイク(NHK放送技術研究所)
・参考:特定ラジオマイクの周波数帯移行について(SHURE)
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