毎日新聞は6月23日付けの記事において、日本政府が南極大陸に新たな基地の建設を計画中で2020年代前半の完成を目指していると報道した。これが実現した場合、新基地にアマチュア無線局が設置される可能性もある。現在、南極にはJARLを免許人とした社団局「8J1RL」と「8J1RM」の2局が免許されており、過去には「8J1RF」も存在した。
毎日新聞の記事によると、この新基地は地球温暖化をふまえ、2016年度からの6年間に南極で地球規模の環境異変を調べる観測計画を進めるためのもの。ドームふじ基地から数十キロ内陸の、氷床の底面付近まで解けていない地点を候補地とし、10名程度が滞在して100万年前の氷を掘削し研究にあたる計画という。
日本の南極地域観測隊は活動拠点となっている「昭和基地」のほか、これまで「みずほ基地」「あすか基地」「ドームふじ観測拠点」を設置し、それぞれからJARLが免許人の社団局(JARL南極局)が下記のようなコールサインで運用してきた実績がある。
★南極のアマチュア無線局(JARLが免許人となった社団局)
・8J1RL 昭和基地
(1966年から運用。2001年、2006年は運用なし)
・8J1RM みずほ基地、あすか基地
(1980~1996年に断続して運用)
・8J1RF ドームふじ観測拠点
(2003年のみ運用実績あり)※現在は局免許切れ
隊員が常駐する新基地が設けられた場合、みずほ基地やあすか基地で運用された「8J1RM」か、ドームふじ観測拠点で2003年に運用され、現在は免許切れとなっている「8J1RF」のいずれかのコールサイン、またはまったく新しいコールサインで運用する可能性がある。アマチュア無線家としてもこの新基地計画に注目していきたい。
●関連リンク:
・南極:日本が新基地計画 温暖化予測に活用(毎日新聞)
・南極情報 8J1RL/8J1RF(JARL Web)
・南極の日本の基地でのアマチュア無線運用QSLカードコレクション PDF形式(JARL Web)
●いったん広告です: