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<反対意見が多数となったが法改正を実施へ>総務省「養成課程の対象資格を2アマまで拡大」の意見募集(パブリックコメント)結果を公表

総務省は6月25日、アマチュア無線技士の養成課程の対象資格を2アマまで拡大することを視野に、4月23日から1か月間行った「無線従事者養成課程の対象資格の拡大に関する意見募集」の結果を同省Webサイトで公表した。募集期間中に寄せられた意見(パブリックコメント)の総数は216件。うち賛成意見が88件、反対意見が103件と、反対意見の数が賛成意見を上回ったが、総務省は「反対意見の大半については対応が可能」として、予定通りに関係法令等の改正手続を進めることを表明、“2アマ養成課程講習会”の実現がほぼ確定となった。今後、改正案についての意見募集も実施するという。

 

 

総務省報道資料「無線従事者養成課程の対象資格の拡大に関する意見募集の結果」

総務省報道資料「無線従事者養成課程の対象資格の拡大に関する意見募集の結果」

 

 総務省が4月23日から5月23日まで意見募集を行っていた「無線従事者養成課程の対象資格の拡大に関する意見募集―第二級アマチュア無線技士への対象拡大―」(hamlife.jp既報記事はこちら)の結果が6月25日に発表された。
 これは従来、アマチュア無線技士の養成課程の対象資格が4・3アマだったものを、直近上位の2アマまで拡大するというもの。授業時間は長くなることが予想されるが、従来の“教室に集合しての授業形式”だけでなく、平成25年4月から施行されたパソコンやDVD、インターネットなどを利用した“eラーニング形式”でも受講できるという内容だ。

 これに対し、関係団体(JARL、JARD、養成課程講習会実施企業など)や一般のアマチュア無線家などが合計216件の意見を提出。その内訳は「賛成」とする意見が88件、「反対」とする意見が103件、「その他」が25件と、反対意見が多数を占めた。

●賛成意見のおもな趣旨

 

・1陸特、航空通も2アマと難易度としては接近している。これらはすでに講習会での取得が可能であることを踏まえれば、2アマが養成課程で取得できるようになるのは歓迎

 

・独学の困難さ、受験の日程合わせなど、やむなく断念せざるを得ないこともあるので賛成

 

・地域格差の解消、地方在住者にもメリットがある

 

・eラーニングで自分に都合のよい時間帯で勉強できるので歓迎

 

・国際親善や電波利用の増進、アマチュア無線の活性化、若年層の増加などのメリット

 

●反対意見のおもな趣旨

 

・誰でも簡単に2アマを取得できるようにすべきでない

 

・現在の3アマ、4アマの講習会は修了試験の解答を教えるだけであり、技術レベル、マナーの低下、ルールを守らない運用と言った質の低下をもたらしており、この増加を懸念する

 

・eラーニングによる替え玉受験が心配

 

・この施策の必要性が理解できない

 

・既取の2アマ資格者に対して何らかの措置を検討すべき

 

・技術力の低下や電波障害の増加を懸念

 

・10/14MHz帯のマナー低下や混乱を懸念

 

 こうした意見に対し、総務省は、「修了試験に合格した者の知識等は、国家試験合格者と同等」 「無線従事者の各資格に求められる知識の範囲、レベル等については、無線従事者規則に定められている」 「2アマ保有者を増やすことが目的ではなく、2アマ資格の取得を希望する者のための資格取得の機会を拡大することが目的」 「eラーニング制度は、平成25年4月1日から施行済み。修了試験では本人確認を確実に行うこととなっており、現行の同時受講型授業の修了試験のような対面式の本人確認のほか、専門業者による確実に本人確認ができるシステムの利用も想定される」 「モラルやマナーは法令外の規範で、国家試験や修了試験でこれらを出題することは適当でない。その上でアマチュア無線はモラルやマナーについても向上を目指すべきものと考える」などと、同省の考え方を表明している。

 

 

総務省が公表した、意見結果より一部抜粋。全文は総務省サイトにてPDF形式で閲覧できる

総務省が公表した意見結果の一部。全文は総務省サイトにてPDF形式で閲覧できる

 

 

 この意見結果の上で同省は「数の上では反対意見が賛成意見を上回る結果となっておりますが、総務省としては、反対意見の大半については対応が可能であると判断し、寄せられた意見を踏まえ関係法令等の改正手続を進める予定です」と表明。今後は改正案についての意見(パブリックコメント)募集も実施するという。早ければ、今年度末には“2アマ講習会”の実現もあり得る状況となってきた。

 

総務省は「反対意見が多数となったが、対応可能なので関係法令等の改正手続を進める予定」と表明。今後改正案のパブリックコメント募集も実施するという

総務省は「反対意見が賛成意見を上回る結果となったが、反対意見の大半については対応可能と判断し関係法令等の改正手続を進める予定」と表明。今後改正案のパブリックコメント募集も実施するという

 

 公表された意見募集の結果は、下記関連リンクからPDF形式で閲覧できる。

 

 

●関連リンク:
・無線従事者養成課程の対象資格の拡大に関する意見募集の結果 (総務省 報道資料)
・提出された意見及びそれに対する総務省の考え方 (PDF)
・無線従事者養成課程の対象資格の拡大に関する意見募集 (総務省 2014年4月22日)

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