四国総合通信局は7月15日、高知県高知市仁井田に配備予定の、衛星を使用して位置情報を伝達する津波救命艇「りょうま」に対して、全国で初めてとなる「遭難自動通報局」の無線局免許を交付したと発表した。免許人は「一般財団法人 四国港湾福利厚生協会」で、周波数として406.028MHzと121.5MHzが割り当てられた。
南海トラフ巨大地震の発生時には大きな津波が発生する恐れがあり、短時間で住民が高台の避難所などへ避難するのは困難と想定されることから、「津波救命艇」が開発されてきた経緯がある。しかし「津波救命艇」は動力を持たず、自ら航行することはできないため、海へ流された場合には漂流して救助を待つことになる。
そこで総務省では、津波救命艇の位置情報を救助機関に迅速に伝える手段として、衛星を使用して位置情報を伝達する「遭難自動通報局」の開設を認め、このほど、四国総合通信局で全国初となる無線局免許を交付した。
装置は船舶が遭難し、装置が水没したときに船体から自動に離脱し電波を発射するタイプと、装置のスイッチを手動で操作して電波を発射するタイプがあり、今回設置するものは手動で操作するタイプとなる。
使用する衛星は、低軌道を周回している「COSPAS(ロシア、2機)」と「SARSAT(アメリカ、5機)」で、406MHz帯の遭難救助用ブイが発射した船の国籍やID番号等の識別符号を発信する遭難信号を受信して、遭難船舶の位置が特定される仕組みだ。
●免許の概要
(1)免許人:一般財団法人 四国港湾福利厚生協会
(2)津波救命艇:愛称「りょうま」(高知市仁井田字新港)
(3)周波数:406.028MHz(衛星非常用位置指示無線標識用周波数)、121.5MHz(生存艇用非常位置指示無線標識用周波数)
●関連リンク:四国総合通信局 高知県に配備される津波救命艇に対し全国で初めて無線局の免許
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