12月4日にH2Aロケット26号機で「はやぶさ2」と同時に打ち上げられた、多摩美術大学、東京大学による宇宙機「ARTSAT2:DESPATCH」は、437.325MHzでビーコンなどを発射しながら順調に飛行を続けているが、12月7日午前8時17分(日本時間)、アルゼンチンのアマチュア無線家が地球から月の距離のおよそ4倍にあたる、154万2千km離れた深宇宙を飛行中の同機の信号をキャッチした。
Facebookの「DX VHF UHF SHF」ページによると、アルゼンチンのLU2DDU、DANIEL氏は日本時間で12月7日午前8時17分(UTC:12月6日23時17分)に、地球から1,542,200km離れた地点(地球から月のおよそ4倍の距離)を飛行中の「ARTSAT2:DESPATCH」が437.325MHzで発射した信号(出力7W、アンテナは垂直型)の受信に成功し、そのSDRによる受信画像を同ページに投稿した。受信には15エレ八木×4とプリアンプを使用したという。
なおARTSAT projectでは世界中から受信報告が届いていることを受け、報告があった受信時刻と同機との距離をまとめ、Webサイトに掲載を開始した。データは逐次更新されるので現在の受信記録の確認に便利だ。
「ARTSAT2:DESPATCH」は、太陽電池などを搭載していないため、打ち上げから1週間程度でバッテリー切れとなり、信号が途絶えると考えられている。それまでに受信距離がどれだけ伸びるか、注目する声が高まっている。
【追記 12月9日19時】ARTSAT projectが開設した受信報告まとめページによると、ポーランドのアマチュア無線家グループは12月8日22時51分UTC(日本時間で12月9日7時51分)に、地球から231万6,800km離れた「ARTSAT2:DESPATCH」の信号受信に成功した。これは地球と月のおよそ6倍にあたる距離。
●関連リンク:
・ARTSAT2:DESPATCH 受信報告まとめページ
・ARTSAT projectページ(Facebook)
・DX VHF UHF SHFページ(Facebook)
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