12月4日にH2Aロケット26号機で「はやぶさ2」と同時に打ち上げられた、多摩美術大学、東京大学による宇宙機「ARTSAT2:DESPATCH」は、437.325MHzでビーコンなどを発射しながら飛行を続け、ついに12月15日午前6時18分(日本時間)、オランダとチェコのアマチュア無線家によって、地球と月の距離の12倍以上となる「469万6千km」離れた深宇宙を飛行中の同機の信号をキャッチされるに至った。なお12月20日(土)には東京・お台場の日本科学未来館で、同機のプロジェクトリーダーである久保田晃弘氏による無料のトークイベントが開催される。
12月4日にH2Aロケット26号機で「はやぶさ2」と共に打ち上げられた宇宙機「ARTSAT2:DESPATCH」は、現在も437.325MHzでビーコンなどの信号を発射しながら深宇宙を飛行している。
ARTSAT projectの受信報告まとめページによると、12月15日午前6時18分(日本時間)、オランダのPE1ITRとチェコのOK1DFCの両局は、地球と月の距離の12倍以上となる、469万6千km離れた深宇宙を飛行中の同機の信号をキャッチし報告を行ったという。出力わずか7W、垂直型アンテナを搭載した同機の信号が、これほど離れても受信できるとは関係者も驚きの様子だ。
ところで12月20日には、東京・お台場の日本科学未来館で、ARTSAT2:DESPATCHのプロジェクトリーダーである、久保田晃弘氏によるトークイベント「ARTSAT2 宇宙で詩を詠む宇宙船」が開催される。詳細は下記のとおりだ。
★サイエンティスト・トーク「ARTSAT2 宇宙で詩を詠む宇宙船」
・概要:
小惑星探査機「はやぶさ2」の”相乗り衛星”として打ち上げられる「ARTSAT2」は、衛星自体も芸術作品です。
深宇宙彫刻「ARTSAT2:DESPATCH」と名付けられた機体は、芸術・技術の両面からミッションを達成するために、芸術家・技術者の分身として、深宇宙を目指して飛び立ちます。最大のミッションは、宇宙のデータを元に、詩を生成して地球へと送信すること。
どんどん地球から遠ざかる「ARTSAT2」からの電波を、受信できる期間は限られています。宇宙からの微弱な電波を受信するために、地球規模の共同受信実験を行い、多くの人の力で、ひとつの「宇宙詩」を完成させます。
「芸術」という手法で世界中の人々と宇宙をつなぐため、数々の技術的な挑戦も行われる、非常にハードルの高い試みです。
本イベントでは、プロジェクトリーダーである久保田晃弘先生をお招きし、「ARTSATプロジェクト」の活動を中心に、宇宙をフィールドにする芸術とそれを実現する技術の関係性、宇宙が私たちに与えるひらめきについてお話しいただきます。
・開催日時:2014年12月20日(土) 14:30~15:30
・開催場所:日本科学未来館 7階イノベーションホール
東京都江東区青海2-3-6
・交通:
新交通ゆりかもめ「テレコムセンター駅」下車約4分
東京臨海高速鉄道りんかい線「東京テレポート駅」下車約15分
※臨海副都心内の無料巡回バス「東京ベイシャトル」あり
・参加費用:無料
・定員:50名
・参加方法:当日会場にて受付(先着順)
・主催/問い合わせ先:日本科学未来館 03-3570-9151(代表)
同館によると、当日は「久保田晃弘先生のお話の中で、ARTSAT2の信号の受信についても詳しく説明していただく予定です」ということで、アマチュア無線家によっても興味あるイベントになりそうだ。
●関連リンク:
・サイエンティスト・トーク 開催情報(日本科学未来館)
・ARTSAT2:DESPATCH 受信報告まとめページ
・ARTSAT projectページ(Facebook)
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