『こんな楽しい1200MHz帯の一部、もしかしたら全部が使えなくなるとしたら、あなたはハムとしてどう思いますか?』『「QSOの相手がいないからなぁ」より、『「QSOしてくれる仲間を増やそうよ」が大事なのではありませんか?』--アルインコ株式会社が、アマチュア無線誌に掲載した広告が話題になっている。144/430/1200MHz帯の3バンドが運用できる唯一の現行ハンディ機「DJ-G7」の宣伝なのだが、製品については一言も触れず、1200MHz帯の現状やアマチュア無線界全体に一石を投じる異色の内容だ。
アルインコは、月刊誌「CQ ham radio」の2014年11月号、同12月号、2015年1月号の3か月にわたり「1.2ギガを運用したことは、ありますか?」というタイトルの1ページ広告を掲載した。
同社が製造販売する144/430/1200MHz帯のFMハンディ機・DJ-G7の宣伝用なのだが、製品に関する機能や特徴の紹介は一切なく、1200MHz帯の魅力と、その1200MHz帯が日本で使えなくなる可能性を危惧した上で『もっと交信してくれる仲間を増やそう』『「使ってないなら取られても仕方ないよね」では、ユーザー人口が減っているアマチュア無線バンドすべてが「仕方ないよね」の対象になってしまうのでは…』と提言する内容になっている。
同社の許諾のもと、広告のコピー全文を以下に掲載しよう。
この広告は掲載以来、アマチュア無線家の間でも話題となり、「アルインコ、よく言った!!」「自社で出していないWIRESやD-STARといった商品にも言及するなんて、本気を感じる」「1200MHz帯のリグはどんどん減ってバンド内も寂しいが、それは1200だけの問題じゃないからね」といった感想や意見が見られる。
同社によると、2015年2月号以降の広告は別内容に変わるそうだが、この広告が1200MHz帯の魅力の再認識、アマチュアバンドの防衛、趣味人口の拡大などを考えるきっかけになれば…と期待する声も上がっている。
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