2015年3月13日から14日にかけて、瞬間最大風速70mを超える巨大なサイクロン「PAM」がバヌアツ共和国を襲った。同国の60の島々は大きな被害を受け、通信と電力インフラは甚大な被害を受け、情報収集のための非常通信システムは機能していない。首都ポートビラでは少なくとも8名の死亡、30名の負傷が確認されている。人口25万人の同国にアマチュア無線家はほとんどいない。
バヌアツののどかな風景は観光客とDXペディショナー(ClubLogのMost Wanted DXCC Listの102位)の安息の地だった。しかしサイクロンによって通信が途絶し、同国の島々の多くからは何も通信も発せられなかった。しかし救援隊と必需品がオーストラリアなどからようやく到着し始めた。
バヌアツをサイクロンが襲った日、ロンズデール大統領は「国連防災世界会議」に出席するため、日本に滞在していた。彼は人道支援を求める感動的な訴えをして、バヌアツに帰国した。
BBCによると、被災地域の居住者の一部は飲料水を利用できず、海水でしのいでいる。また人々は食物を探し求めているという。バヌアツは、この地域の最も貧困な国の1つなのだ。また、島々には航空機の着陸が困難な地点も多く、救援活動を困難にしている。
(ARRLニュース 3月17日付 ※許可を得て抄訳/(C)ARRL )
●関連リンク:Emergency Communication Lacking in Vanuatu Cyclone Recovery Effort
●いったん広告です: