日本時間で4月25日の15時11分頃、ネパール中部を震源とするマグニチュード7.8の大地震が発生した。報道によると建物が多数倒壊するなど、千人以上の死者が出ている模様で、同国政府は「非常事態」を宣言し各国へ支援の要請を行った。この災害に伴い「IARU Reg3が制定したHF帯の非常通信周波数は、ALL JAコンテストでも原則使用しないように留意してください」と、JARL東京都支部監査指導委員のJO1EUJ・高橋俊光氏が呼びかけている。
【最新情報】4月27日の朝、JARLが公式にアナウンス↓
<7.100MHz、14.210MHz、14.310MHzをクリアに!>JARL、「ネパール地震で非常通信、周波数確保にご協力ください」と呼びかけ
ネパールの首都・カトマンズとその周辺。2011年5月撮影/photo:Ryoko Onoda ※クリックすると拡大
【動画】NEPAL 7.9 MAGNITUDE EARTHQUAKE (SHOCKING FOOTAGE!) April 25, 2015(5分21秒)
以下、高橋氏のブログから許可を得て引用し、紹介する。
まもなく21時から ALL JAコンテストが開催されます。しかし、配慮していただきたいことがあります。
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4月25日午前11時56分(日本時間同日午後3時11分)ごろ、ネパールの首都カトマンズ北西約80キロを震源する地震があった。米地質調査所(USGS)によるとマグニチュードは7.9。(朝日新聞デジタルから引用)
これに伴い、IARU Reg3が制定したHF帯の非常通信周波数はまもなく開始のALL JAコンテストでも原則使用しないように留意してください。
現地で非常通信が行われているかどうか十分な注意が必要です。
電波法令上も国際電気通信連合憲章付属無線通信規則上も非常通信が行われている可能性が有る場合には適切な配慮(非常通信に優先権がある)を求められています。
3600kHz (All Modes ±5kHz)
7110kHz (All Modes ±5kHz)
14300kHz (All Modes ±5kHz)
18160kHz (All Modes ±5kHz)
21360kHz (All Modes ±5kHz)
上記周波数のソースはIARLの以下のURLです。 PDFの81ページ参照
http://www.iaru.org/uploads/1/3/0/7/13073366/emcomm_guide_1jan2015.pdf
追加情報を頂きました。
IARUのホームページからダウンロードできる資料で
http://iaru-r3.org/documents/ の
March 16, 2013 Region 3 – Band Plan 160.5 KiBのPDFの
「Co A」の周波数が判りやすいです。
http://iaru-r3.org/?dl_id=1
から直接DLできます。
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4月26日 17:05 追記
お断り:
肩書き公表での私のアナウンスですが、法的にはどちらの組織の公式アナウンスだとしても何も強制力はありません。あくまでも「助言」までです。
両組織ともに緊急に「連絡が取れた方だけでメールで賛否集計」をした場合は同じアナウンスを出すことになると思います。
本記事掲載当初はALL JAコンテスト開始まで時間的余裕が無かったので、私個人の判断で肩書きを添えてアナウンスいたしました。
被害状況が明らかになってきています。
現に非常通信が行われているという情報も有ります。(IARU Reg3提唱の周波数とは違う場合もあるようです)
あとは各位が情報収集の上、各位の責任で判断していただくことを期待します。
ALL JAコンテスト終了後も当面は非常通信への配慮が必要なのは当然です。
de JO1EUJ 髙橋 俊光
一般社団法人 日本アマチュア無線連盟 東京都支部監査指導委員
総務省委嘱 東京都電波適正利用推進員協議会 会長
初回掲載:4月25日 19;59
資料情報等追記 25日 22:30
追加資料情報の一部修正 26日 00:45
「お断り」追記 26日 17:05
【hamlife.jp追記:4月26日08:30JST】
ARRLの米国インディアナ州の非常通信チームは公式Twitterの中で、ネパールの非常通信のため「14.310、14.210、7.100MHzをクリアにしてほしい」と呼びかけている。
●関連リンク:
・「まもなく開催のALL JAコンテスト。配慮していただきたいこと」(JO1EUJのブログ)
・ネパールの地震 死者約1400人に(NHK NEWS WEB=4月26日午前4時31分配信)
・在日ネパール国大使館
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