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<1200MHz帯レピーター局の出力を1W減力へ>総務省、「既存局については再免許までの間に減力していただくこととなります」と“考え方”を明記

総務省は実用準天頂衛星システムの導入に向けて、これらの無線局の技術基準に係る制度整備を図るため、2016年9月28日から10月27日までの間、電波法施行規則(昭和25年電波監理委員会規則第14号)等の一部を改正する省令案等の意見募集を行った。この改正案には、「1200MHz帯のアマチュア無線用レピーター局の空中線電力を1Wに制限する」という項目が盛り込まれている。これに対して提出されたアマチュア無線家らからの意見について、このほど総務省が考え方を表明した。

 

既存の1200MHz帯レピーター局の出力も免許状に記載されている有効期限を待たず、10Wから1Wへの減力が求められる

既存の1200MHz帯レピーター局の出力も免許状に記載されている有効期限までに、10Wから1Wへの減力が求められる

総務省が公表した、電波法施行規則(昭和25年電波監理委員会規則第14号)等の一部を改正する省令案には、1200MHz帯のアマチュア無線レピータの出力を最大1Wにするという案が含まれていた

総務省が公表した、電波法施行規則(昭和25年電波監理委員会規則第14号)等の一部を改正する省令案には、1200MHz帯のアマチュア無線レピーターの出力を最大1Wにするという案が含まれている(新旧対照表の左側が改正案)

 

 

 1200MHz帯のアマチュア無線レピーター局の空中線電力を最大1Wにするという改正案が含まれた「電波法施行規則(昭和25年電波監理委員会規則第14号)等の一部を改正する省令案」に係る意見募集の結果がこのほど同省から発表された。

 

 4件あった意見提出の内訳は法人が2件、個人が2件。このうち個人2件はアマチュア無線家からのものと思われる内容だった。

 

 

●提出された意見1

 

「新旧対照表」の「別添8」電波法関係審査基準(平成13年総務省訓令第67号)の一部を改正する訓令(案) 新旧対照表における、別紙1(第4条関係)無線局の局種別審査基準 第15 アマチュア局 5 空中線電力の指定方法の表の下側部分の記載「注2:レピーター局の空中線電力については、最大1Wとする。」について意見します。

 

 現時点で、災害発災等により携帯電話等のインフラ通信網が途絶したときの最終手段としてアマチュア局がD-STARレピータ(DDモード)を利用することによる災害情報ネットワークが構築されています。レピータ局の運用が10Wから1Wとなると、通信距離が確保できず、災害時ネットワークがほぼ壊滅的になると考えられます(例えば、現時点で10km圏内(名古屋市内全域)との通信が確保されているものが1km圏内(千種区内のみ)しか情報通信確保できなくなり、その範囲しかインターネット等への接続ができなくなります)。

 

 特に、被災地や交通手段を奪われた地域との機動力を活用したアマチュア無線による臨時無線通信回線の確保は大規模地震災害等で経験的に実証されており、今後発生するとされる南海トラフ巨大地震に特に備えている東海以西の地域では、他の非常通信手段がなくなる可能も考えられます。

 

 本件について,平時についてはおおむね賛成しますが、非常災害発生時の備えについて臨時にでも運用ができる等のご検討をいただけたらと思います。

 

 

●総務省の考え方

 

 災害時の通信確保については、大変重要な課題と考えますが、公的機関の通信等の整備が重要であり、本実用準天頂衛星システムにより実現する災害・危機管理通報システムもその一手段として期待されています。

 

 また、本実用準天頂衛星システムにより実現する、センチメーター級の測位補強サービスは様々な産業分野への活用等が期待されているところです。1200MHz帯アマチュア無線局レピーターの減力にご理解いただければと考えます。

 

 

 

●提出された意見2

 

要旨
 (1) から(8)の全て賛同する。
 但し、(8)のうちアマチュア局のレピータ局については相当の経過期間を設けてください。

 

意見
 (1) から(8)の全て賛同する。
 但し、(8)のうちアマチュア局のレピータ局については相当の経過期間を設けてください。
 アマチュアバンドの1280MHzは周波数割当上は二次業務である。

 

 国際電気通信連合憲章付属無線通信規則(ITU-RR)等で、一次業務からの保護要求は認められていない。

 

 アマチュア局免許人の中には(8)アマチュア局のレピータ局の空中線電力制限に異を唱える者は少なくないと思慮するが、天頂衛星による測位システム等の有用性やそれらが一次業務であることを踏まえれば空中線電力制限は仕方が無い。

 

 経過措置として改正省令および審査基準の施行後、1280MHz帯のレピータ局にあってはその免許の有効期限までもしくは施行後1年のうち期間が長いほう(有効期限まで1年未満なら有効期限まで)空中線電力10ワットを認めていただきたい。

 

 

●総務省の考え方

 

 既存局については、基本的には設備等の変更又は再免許までの間に減力していただくこととなります。

 

 免許人である「一般社団法人日本アマチュア無線連盟」と調整の上今後、適切に進めさせていただきます。

 

 

 

 このことから総務省は、アマチュア無線家らから提出された意見にかかわらず、1200MHz帯レピーター局の出力を1Wへ減力する改正案は修正しない方針で、現在の免許の有効期間中に1Wへの減力を求める方針(すなわち空中線電力10Wでの再免許は不可)と読み取ることができる。

 

 

 

 公表された意見募集の結果は、下記関連リンクからPDF形式で閲覧できる。

 

 

総務省が公表した意見結果の一部。全文は総務省サイトにてPDF形式で閲覧できる

総務省が公表した意見結果の一部。全文は総務省サイトにてPDF形式で閲覧できる

 

 

 

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●関連リンク:
・総務省 電波法施行規則等の一部を改正する省令案に係る意見募集の結果-実用準天頂衛星システムの導入-
・総務省 提出された意見と総務省の考え方(PDF形式)
・総務省 無線局等情報検索

 

 

 

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