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<準天頂衛星「みちびき」との干渉試験など>1200MHz帯D-STARレピータ、「1Wの減力運用」が相次ぐ

国産の準天頂衛星「みちびき」(2010年打ち上げ)の試験運用が始まり、同衛星との干渉の試験等を理由に、送信電力を10Wから1Wに減力して運用する1200MHz帯のD-STARレピータが増えている。

 

 

1200MHz帯D-STAR DVレピータ装置の例。アイコムのID-RP4000VとID-RP2C

 

 

 国産の準天頂衛星「みちびき(QZS-1)」が発射する電波の1つ「測位補強信号(LEX)」は、1200MHz帯のアマチュアバンド(2次業務)と重なる1278.75MHzを使用している。この信号のEIRPは123Wだが、電波は広帯域(42MHz幅)に拡散されるため、アマチュア無線の運用に影響を与えないことが実証実験で判明している。しかしアマチュア無線局が発射した電波は「みちびき」利用の測位補強システムに影響を与えることが確認されている。

 

 総務省は2013年から3年間にわたり、準天頂衛星システムと1200MHz帯のアマチュア無線の電波干渉の調査と試験を行い、同一場所から長時間にわたって電波を送信するレピータ局の送信電力を10Wから1Wに減力することで、干渉は問題のない状態になることを確認している。

 

 そのため1200MHz帯のレピータ局の送信出力を1Wに減力するための制度整備が行われ、各地のレピータ管理団体は「減力のための工事」「無線局の変更申請」「新スプリアス規格への対応」が求められ、5月末までにJARLへ変更工事の計画書を提出することになっている。

 

 そんな中、準天頂衛星との干渉の試験等のため、先行して1Wに減力した1200MHz帯D-STARレピータ局が相次いでいる。JARLの「D-STAR NEWS」に、この1か月間に掲載された告知から紹介しよう。

 

 

◆JP1YIU(東京都中央区日本橋浜町)
・周波数:DV 1291.69MHz、DD 1290.125MHz
・減力運用の開始日時:平成29年4月12日(水)から当分の間

 

◆JP1YJV(神奈川県藤沢市辻堂西海岸)
・周波数:DV 1291.43MHz、DD 1270.625MHz
・減力運用の開始日時:平成29年4月25日(火)から当分の間

 

◆JP1YFY(千葉県船橋市高根台)
・周波数:DV 1291.29MHz
・減力運用の開始日時:平成29年5月6日(土)から

 

◆JP1YJK(東京都江戸川区松島)
・周波数:DV 1291.65MHz
・減力運用の開始日時:平成29年5月8日(月)から

 

 今後、1200MHz帯のレピータ局はアナログ・デジタルを問わず1Wへの減力が相次ぐことは確定的だ。また管理団体によっては、変更工事や手続き、新スプリアス規格への対応といった煩雑な作業を嫌い、休止や廃局を検討するケースが出てくるかもしれない。各レピータ局の動向には注目していきたい。

 

 

 

●関連リンク:JARL D-STAR NEWS

 

 

 

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