長野県のJA0RUZ 関崎氏は、このほどISDB-T方式による「フルハイビジョン デジタルATV」(5M70 X7W)の免許を受け、5.6GHz帯で運用実験を開始した。フルハイビジョン デジタルATVの免許は「日本初」という。その信号を受信した動画がYouTubeで公開されている。
さっそく、関崎氏がYouTubeで公開した動画を2つ紹介しよう(クリックするとスタート。なお“解像度は「1080P」が推奨”とのことだ)
JA0RUZ 日本初 FHD ATV実験受信映像
JA0RUZ FHD-ATV 上越海岸沿いの伝搬テスト
関崎氏が製作し免許を受けた、ISDB-T方式による「フルハイビジョン デジタルATV」の詳細は、同氏が所属する西新潟ハムクラブ(JH0YQP)のWebサイトに詳しく掲載されている。その一部を抜粋しよう。
「5GHz帯 ハイビジョンD-ATV 」が許可になりました de JA0RUZ
ATV運用の皆様、ようやく日本のATVにも「フルハイビジョン方式」が許可になりましたので紹介させていただきます。
まず、今回採用したハイビジョンD-ATV(HD-ATV)の方式は、「ISDB-T International」方式(映像:H.264/MPEG-4 AVC)となります。これは日本で開発された「ハイビジョン地上デジタルTV放送」と同様の変調方式ではありますが、全ての地デジTVに直接映せるものはありません。
日本国内で販売されている地デジTVの多くは、受信映像がMPEG-2だけの映像を映し出すもので、MPEG-4映像が映るのは、確認できた物では中級機以上のTV(例:レグザZシリーズ以上 他など)の場合が多いようです。この問題は海外仕様などの安価なISDB-Tチューナーを入手し、HDMI接続でハイビジョンTV等に映し出すことで解決できています。
今回はハード及びソフト面の諸条件を鑑み、約1年掛けて実用になる5GHz帯の送信機として試作して、3月初旬に変更申請を送信(電子申請)して許可になったものです。現時点では数局が国内で入手したISDB-Tチューナーを用いて、簡単に受信及びHD録画/再生までできるように準備されている現状となっていますので、今後のハイビジョンATV運用は期待されています。
今日までのD-ATVは「デジタル変調」とは言っても、数十年前から使われ続けているSD映像品質のため、どう見ても「綺麗な映像」とは言い難いものです。TV放送は10年ほど前から「地上デジタルハイビジョン放送」に移り、今や4K放送の時代に移りつつある中、アマチュアTVだけハイビジョンから取り残されたのでは、さまにならないと思い、ハイビジョンD-ATVにチャレンジしたものです。
同クラブのサイトには、 関崎氏が製作した機器の送信機系統図や免許申請時の資料、諸元なども公開されている。同氏は「今後は仲間が続々と、ISDB-T方式のデジタルフルハイビジョンATVを開局していくと思われます」と語っている。
●関連リンク:
・「5GHz帯 ハイビジョンD-ATV 」が許可になりました(西新潟ハムクラブ/関崎氏の投稿)
・JA0RUZ 日本初 FHD ATV実験受信映像(YouTube)
・JA0RUZ FHD-ATV 上越海岸沿いの伝搬テスト(YouTube)
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