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◆三浦電波監視センターの監聴室の設備
続いて、三浦電波監視センターの監聴室にある設備を紹介しよう。
★短波監査装置
三浦電波監視センターの敷地内にあるアンテナを使い、9kHzから30MHzまでの到来電波の周波数偏差や電界強度、占有周波数帯幅などの測定を行う装置で、複数の操作卓が設置され、電波の監査や国際監視が行われている。
1つの操作卓では2つの受信機を操作することが可能で、受信した電波のモニター(復調)、RTTYやファクシミリなどの解読表示、電波の発射状況のパノラマ表示なども可能だ。JT65などアマチュア無線で使われる特殊モードも解析できるという。
★電波スペクトル自動記録装置
三浦電波監視センターの敷地内にあるアンテナを使い、自動制御で90kHzから30MHzまでの周波数(範囲指定可能)で入感した電波のスペクトラムデータを収集し、記録と解析、グラフ表示などが行える装置を3基設置している。
★DEURAS-H
DEURAS-H(デューラス・エイチ)は、全国5か所(北海道/千歳、千葉/東金、石川/珠洲、熊本/阿蘇、沖縄/石垣)に設置されているセンサ局を遠隔操作することで、電波の発射地点を特定するシステムで、三浦電波監視センターの監聴室に「集中センタ局」としての操作卓が設置されている(地方総合通信局でも短波帯の受信監視が可能)。
混信があっても正確な方位測定が可能な最先端技術を導入し、300kHz~30MHzの電波の発信源や混信源、不法無線局の位置特定に活用されている。取材当日、13MHz帯の放送バンド(22mバンド)でのデモンストレーションでは、海外放送でも高い精度で送信地を特定(各センサ局の測定による“電波の到来方向を示す線”が交点となる)できていた。
下の写真はhamlife.jpが千葉県東金市にあるDEURAS-Hのセンサ局を撮影したものだ。広い敷地に9基のループアンテナが配置され、センタ局から遠隔操作で切り替えることで電波の到来方向がわかる仕組みになっている。
次ページでは担当者が語る 「三浦電波監視センターにおける電波監視の現状」を紹介!
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