アマチュア無線に割り当てられているローバンド(中短波帯)と呼ばれる周波数には、「160mバンド(1.8/1.9MHz帯)」「80mバンド(3.5MHz帯)」「75mバンド(3.8MHz帯)」があるが、諸外国から比べると日本で許可された周波数は分割されていたり、非常に狭いのが実情だ。草野利一氏(JA1ELY)が発起人代表者となり、「ローバンド拡大促進協会」が発足。「アマチュア無線家に要望の強いローバンドに許可される周波数を拡大することを行政当局に求めたいと思います」として、広く署名の協力や協力会員募集を呼びかけている。
昨今人気のデジタル文字通信「JT65モード」の80mバンドにおける運用では、国内でオフバンドとなる周波数でうっかりオンエアーするハムが少なくない。ここ数年、各地の総合通信局から警告や行政処分を受けるケースが相次いでいる。
これらは、日本の80mバンドが、アマチュア無線に割り当てられている周波数が細切れ状態であることに起因する。
以下、ローバンド拡大促進協会の資料から(一部抜粋)
アマチュア無線に許可されるローバンドの周波数を広げたい
電波は国境を超えて世界中に伝わることができます。そのため『国際電気通信連合条約』という世界共通のルールを定めて、その中で周波数の使用区分を問題が起こらないように細かく定めています。
アマチュア無線で使用できるローバンド(中短波帯)と呼ばれる周波数には160mバンド(1.8/1.9MHz帯)、80mバンド(3.5MHz帯)、75mバンド(3.8MHz帯)がありますが、日本で許可された周波数は周辺諸国と比べて非情に狭くなっています。日本が島国である事情から沿岸漁業や船舶通信などにローバンドの周波数が多数必要だったという周波数の割り当てを行った当時の事情が今でもそのまま残っています。
科学技術の進歩によって周波数の利用状況が変化していきました。特に人工衛星の利活用によりローバンドの利用状況は大きく変わりました。かつてローバンドを用いていたラジオ・ブイはGPSからの位置情報を利用した通信に置き換わり、モールス通信も利用した船舶通信はVHFやインマルサットなどの衛星を用いた通信に多くが移行しました。そのためローバンドの周波数を使った無線通信は減少しています。
アマチュア無線に許可されているローバンドの周波数は戦後のアマチュア無線の再開時から比べると少しずつ拡大されてきたものの、諸外国と比較した場合は現在でも広いといえる状況ではありません。
日本ではアマチュア無線向けに160mバンドは1.8MHz帯に15kHz、1.9MHz帯に5kHz、合わせて20kHzが割り当てられ、これは『世界最小』です。80mバンドと75mバンドは3.5MHz帯と3.8MHz帯に合計148kHzが割り当てられています。こちらはバラバラに『6分割』されているためアマチュア無線家にとって甚だ使い勝手の悪い状態になっています。諸外国と同じ周波数での交信ができず外国との交信も一苦労です。
署名用紙ができました。お届けいたします。
資料付というのはローバンドの事情を知らない人に署名活動を理解していただくための情報を図解した資料を付した用紙です。お知り合いやクラブの皆様にお渡しして頂きたいと思います。2018年2月末を目途に集計予定です。どうぞご協力よろしくお願いいたします。
郵送先:
〒144-8691 蒲田局私書箱8号 草野利一
「ローバンド拡大促進協会署名用紙」ここをクリック!(PDF形式)
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