2016年8月に東宝系で公開されたアニメーション映画「君の名は。」(原作・監督・脚本:新海 誠)。国内興行収入は250億円を突破、日本映画史上では歴代2位を記録する大ヒットとなった。この映画が2018年1月3日(水)の21時からテレビ朝日系の地上波で初放送される。ストーリーの途中で懐かしいアマチュア無線機が多数登場するシーンがあるので注目しよう。
「君の名は。」は2016年8月に公開されたアニメーション映画だ。OMハム諸氏は1952(昭和27)年からNHKのラジオドラマで放送され、1953年に松竹で映画化された菊田一夫の脚本(真知子巻き、数寄屋橋での待ち合わせ、会えそうで会えないすれ違い、放送が始まると銭湯の女湯がからっぽに…等のエピソードが有名)を連想するかもしれないが、それはタイトルの最後に句読点がない「君の名は」という作品(12月31日21時からテレビ神奈川で放送)なので誤解しないでいただきたい(hi)。
テレビ朝日が公表している「君の名は。」のあらすじは次のとおり。
『1000年ぶりとなる彗星の来訪を1か月後に控えた、日本。山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉(声・上白石萌音)は、憂鬱な日々を送っていた。町長である父の選挙運動や、自らの家系である神社の古き風習…。すべてが嫌でたまらなく、都会への憧れを強く抱いていた。そんなある日、三葉は自分が東京の男子高校生になる夢を見て、念願の都会生活を満喫! しかもその不思議な夢は度々、繰り返されるようになった。
一方、東京で暮らす男子高校生・瀧(声・神木隆之介)も、山奥の町に住む女子高校生になる、という奇妙な夢を見ることが多くなっていた…。
やがて、自分たちの身体が夢の中で入れ替わっていることに気づいた2人。お互いにメモを残すことにし、力を合わせてその状況を乗り切っていく。
ところが2人の気持ちが打ち解けてきた矢先、入れ替わりが突如、途切れてしまい…!?』
主人公の2人は、ある“迫り来る危機”を防ぐために時空を超えて活躍することになるのだが、ストーリーの後半、三葉が高校の部室(元はアマチュア無線部室でもあったが、廃部のため閉鎖されている)の中でクラスメートと危機から免れる方法を相談するシーンでは、TS-520S+VFO-520などアマチュア無線機が多数見られる。部室のシーンは約2分間あるものの、室内が俯瞰で映るのは短いため、見逃さないように位置関係をイラストで示しておこう。
hamlife.jpがラックに設置されているアマチュア無線機を独自に検証したところ、トリオのTS-900、TR-5000+VFO-10、八重洲無線のFLDX400+FV-401、YO-100、FC-757ATなど、下記イラストのような機種が確認できた。一部は機種名の完全な特定ができなかったので、ぜひ録画して割り出しに挑戦していただきたい。
またネタバレになるので詳しくは言及しないが、防災無線の「重畳周波数(起動用のトーン周波数)」に関するセリフも部室シーンの直前に登場するので注目してほしい。
ラックやテーブルに置かれたアマチュア無線機の細密な描写や、防災無線の重畳周波数に注目したストーリーなどから、hamlife.jpでは「新海監督はアマチュア無線の資格を持っていたり、業務無線の傍受を楽しんだ経験があるのでは?」と考え、同監督の所属会社に問い合わせを行った結果、次のような回答を得ることができた。残念ながらアマチュア無線の資格は持っていないそうだ。
「新海監督自身は無線技士の資格もなく、無線の傍受にもあまり興味を持ったことはありません。『君の名は。』のシナリオを書くにあたり、作品に必要なものとして成り立たせるために、監督なりに調べたのみです。ですので、アマチュア無線をやってる方から、資格を持ってるかのように見えたのなら、それは作品として説得力のあるものにできた、ということですので嬉しく思います」(コミックス・ウェーブ・フィルム 担当者)
また一部で「原作の小説には、主人公のクラスメートが雑誌“ラジオライフ”を読んでいるシーンがある」という情報が流れているが、新海監督自身が書いた原作小説には「ラジオライフ」誌の名前は登場せず、別の作者による外伝小説(「君の名は。Another Side:Earthbound」)の中で誌名が登場するようだ。映画の中でも同誌に関するシーンは見られない。
◆無線家みんなで見よう!アニメ「君の名は。」
hamlife.jpでは、1月3日の「君の名は。」地上波放送を“無線ファン”の視点で楽しむため、Twitterでハッシュタグ #君の名は無線 を使ってつぶやくことを提案する。詳細は特設ページ「無線家みんなで見よう!アニメ「君の名は。」※ネタバレ注意」コーナーを参照のこと。
●関連リンク:
・1月3日(水)21時地上波初放送!! 映画「君の名は。」特設サイト(テレビ朝日)
・映画「君の名は。」公式サイト
・君の名は。 聖地巡礼トラベルガイド(Wikitravel)
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