ARRL(米国のアマチュア無線連盟)は2018年2月9日、“車両から移動可能な条件の電源とアンテナのみを使用して、少なくとも100以上のDXCCエンティティと交信すること”をルールとした「Mobile DXCC Operating Award(モービルDXCCアワード)」を新たに制定した。
同アワードのルールについて、JQ2GYU 櫻井氏がARRLから許可を得て日本語に翻訳し、ブログに掲載した内容から紹介する。
★モービルDXCCアワードについて
このアワードは、車両から移動可能な条件の電源とアンテナのみを使用して、少なくとも100以上のDXCCエンティティと交信することが条件です。移動局とモービル運用の定義は次項で示します。過去のいずれの時期の交信であってもカウントされますが、交信証(QSLカードまたはLoTW)が必要です。
しかしながら、申請時にそれらを提出する必要はありません。提出されたQSOに関して疑義が生じるなどした場合、ARRLは交信証の提示を求めることがあります。モービルDXCCは1回限りのアワードであり、エンドースはできません。本アワードを得るためにARRLメンバーである必要はありません。
★移動局とモービル運用の定義
このアワード取得に適したモービルQSOは、まず合法局であること、そしてQSOの前や後、あるいはQSO中に移動することができ、商用電源や他の外部電源を用いることなく無線設備にすべての電力を供給できる陸上を自走可能な車両において、その同一車両にマウントされた、あるいは直接取り付けられた、常に車両と一緒に移動するアンテナを用いて行われた交信と定義されます。
さらに、DXエンティティとの間のQSOは、移動局のみを使用して独力で行われる必要があります。リモート無線局やレピータ、あるいはインターネットを介した局やシステムを使用することは認められません。停止しているときにのみ使用できるような、たとえばダイポールや八木などのアンテナを使用してのQSOは、ポータブル運用かもしれませんが、ここではモービルとは定義しません。
このアワードを得るための移動局は、運用場所のエンティティにおける合法出力の遵守が求められます。このアワードは、エアーモービルや海上移動からの運用は対象外です。
★申請方法
モービルDXCCを申請するには、交信相手のコールサイン、エンティティ名、交信日のリストを提出してください。QSLカードは送付しないで下さい。あわせて、リストに記されたすべての交信が、上記のような陸上移動局から行われたとする署名付き宣言書も提出しなければなりません。
上記交信リストに加えて、米国内宛の場合はUS$16、米国外宛の場合はUS$18を小切手、あるいは郵便為替で同封して下さい。また、郵送宛先住所と、アワードに記されることを希望するあなたの名前を忘れずに記して下さい。申請書類は次の宛先に送付して下さい。
Mobile DXCC, ARRL,
225 Main Street, Newington, CT 06111, USA
櫻井氏のブログから申請書や交信リストのフォーマットなどもダウンロードできる。同氏は「JAはモービル移動運用が最も盛んな国のひとつだと思います。ぜひともモービルDXCCに皆さん挑戦してほしいと思っています」と述べている。
●関連リンク:
・ARRL Announces Mobile DXCC Operating Award(ARRL NEWS)
・モービルDXCCアワードが制定されました(JQ2GYU 櫻井氏ブログ)
・Mobile DXCC Award(ARRL)
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