国際アマチュア無線連合(IARU)第1地域のモニタリングシステムは、中国の超水平線レーダー(OTHレーダー)施設の1つがアマチュア無線の7MHz帯に干渉を引き起こしていると報告している。同モニタリングシステムの2018年2月号のニュースレターでは、歓迎されないさまざまな“アマチュアバンドの侵入者”についてリポートしている。
アマチュアバンドの侵入者のトップ5には、7039.3kHzでモールス信号の「K」または「T」のいずれかを送信する「単一文字ビーコン」が含まれている。発信源は、ロシア太平洋沿いのペトロパブロフスク・カムチャツキーと考えられている。
また7193kHzでは、ロシアのカリーニングラードから発射されている暗号化されたF1Bモード(FSK、50bps)の信号が確認できる。ドイツとスイスの当局はこの電波について公式の苦情を提起している。さらにロシアのOFDM(直交周波数分割多重伝送)の信号は14.235MHzで発射され、帯域幅は2.76kHzに及ぶ。送信地はモスクワにあると言われている。 モスクワからと推測される電波はもう1つ、F1Bモード(50bps、500Hzシフト)の信号が14.308MHzでも観測されている。
IARU第1地域モニタリングシステムのWolf Hadel氏(DK2OM)は、「3560kHzのUSBモードで毎日16:00UTCかそれ以降にスペイン語を話す漁師の声が聞こえている」と報告している。同様の侵入電波はほかにも80mバンド内で確認されている。
またソマリランドの放送局「ラジオ・ハルジサ」は、毎日7120kHzで放送されている。ほかにも7175kHzでは「ラジオエリトリア」が毎日「ラジオエチオピア」に起因するホワイトノイズのジャミングでかき消されている。さらに4765kHzの「ラジオタジク」の第3高調波は現在も14.295MHzで聞こえている。(ARRLニュース 2018年3月12日 ※許可を得て抄訳転載/(C)ARRL )
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