ポラリスプレシジョン合同会社は2018年8月4日、開発中の新技適CB機「Blackbird(ブラックバード)」に関する完成披露会(会費制)を東京・日本橋で開催した。同イベントではBlackbirdの開発経緯や回路の特徴などを担当者が説明したほか、技適を通過した試作機2台を使った交信体験が行われた。この席上、Blackbirdの製品版はAMモードだけではなく、SSB/CWモードにも対応し、すでに公表されている26.0~28.9MHz以外に「50MHz帯のアマチュアバンド(50~54MHz)」と「VHF帯エアーバンド(118~137MHz)」も受信できることが明かされた。また今後はアマチュア無線機の開発も検討していくという。
「Blackbird TOKYO Reception」と名付けられたこの日の完成披露会には13名の参加者があり、ポラリスプレシジョン合同会社の代表を務める吉澤優一氏が、会社の概要と開発者3名の紹介、今回のBlackbirdの部品選定と回路構成上の特徴などを説明した。
動画その1(画面をクリック!!)
動画その2(画面をクリック!!)
その中で、Blackbirdはこれから製品出荷開始までに機能のアップデートを行い、「復調モードにSSB/CWを追加する」「CBメインバンドの26.0~28.9MHz以外に、アマチュア無線の6mバンド(50~54MHz)とVHF帯エアーバンド(118~137MHz)の受信も可能にする」「スケルチ&逆スケルチ機能を装備する」「メーター部分に電球色のLEDを追加」といった機能を全機種に搭載することを初めて公表した。
ちなみにBlackbirdのAMモードはダブルスーパーヘテロダイン(第1IF 10.7MHz、第2IF 30kHz)だが、SSB/CWモードはIF 10.7MHzのシングルスーパーとなり、専用フィルタを搭載しプロダクト検波を採用。また50~54MHzと118~137MHzは専用の受信回路を搭載、外部アンテナは検定上不可なのでCB用に装備しているロッドアンテナを共用する形式であるという補足説明があった。
また参加者からの質問に答える中で、同社は今後アマチュア無線機の開発を行うことについて“重要な検討”を行っており、候補としては50MHz帯のオールモード機が有力だが、海外でニーズの高い14MHz帯も候補になっていることが明かされた。
そのほか、同機種の生産は過去に技適CB機の製造実績がある静岡県浜松市の工場に委託すること、制御にマイコンではなくPSoC5(コアアーキテクチャ)を使用することで早い応答性と基板設計上の自由度を確保していること、多信号特性を優先するためにNBやANLは搭載していないが、AGC応答の最適化を行い、さらに急峻なフィルタを採用したことで従来の新技適CB機よりも外来ノイズに強くなったことなどの説明があった。
Blackbirdの交信実演の模様は下記動画を参照のこと。
動画その3(画面をクリック!!)
なお同社によると、Blackbirdはローンチエディションの50台(すでに予約締め切り)とスタンダードエディションの150台、合計200台で終了し、追加生産は行わない方針であることも発表された。
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