アマチュア無線家の祭典、「ハムフェア2018」が8月25日、東京都江東区有明の東京ビッグサイト西2ホールで始まった。東京地方は朝から好天に恵まれ、会場内は開幕直後から盛況の状態が続いている。開幕セレモニーと会場内の模様、初お披露目の新製品・参考出品を現地から速報リポートする。なお会場取材は現在も進行中のため、今後において情報や写真の追加を行う可能性があるので注目していただきたい。なお会期終了後、初日の入場者数は昨年より1,000名多い27,000名、2日目は昨年よりも1,000名少ない12,000名(2日間合計39,000名)と発表された。
今年で42回目を迎えるアマチュア無線フェスティバル「ハムフェア2018」は、いつもの東京ビッグサイト西展示場1階 2ホールに戻っての開催となった。10時の開場に先立ち、9時45分から正面ゲートで開幕セレモニーが行われ、髙尾義則JARL会長(JG1KTC)の挨拶と来賓の紹介、テープカットが行われた。
開幕セレモニー後に一般入場が始まり、場内は朝早くから行列を作っていた多数のアマチュア無線家で混雑。クラブ一般展示コーナーは掘り出し物のジャンク品を探す人たちで賑わった。
メーカーブースでは、アイコムが144/430/1200MHz帯のオールモード機「IC-9700」を多数展示して、開発が順調に進んでいることをアピールした。同機種の144/430MHz帯はダイレクトサンプリング方式で1200MHz帯はダウンコンバージョンIFサンプリングとなる。これにより高速のスコープ動作を実現した。
送信出力は144/430MHz帯が最大50W、1200MHz帯は最大10Wとなっている。発売時期は年内目標でまず50WタイプのIC-9700が発売になり、その後20Wタイプが登場するという。またIC-9700はEME運用者のための144MHz帯100W、430MHz帯75Wの改造を有償で受け付ける予定がある。
現在のところ価格は未定だが、かつての144/430MHz帯オールモード機の「IC-911(IC-910)」に1200MHz帯ユニットを搭載した程度(※IC-911の場合、50Wモデル+1200MHz帯ユニットの税別価格は200,800円)を目指しているという説明だった。
またFacebookページで予告があった、GPS内蔵で誰でも使える140MHz帯0.5W デジタル小電力コミュニティ無線のIC-DRC1(今秋発売、価格は21,800円程度を予定)も展示されたほか、内蔵されているマイクで音声を認識し、無線機の各種コントロールができるスマートスピーカー(AIスピーカー)のような「AIコミュニケーションBOX」も参考出品された。こちらの市販予定はないという。
またJVCケンウッドは新製品のTS-890シリーズを多数展示し、来場者が自由に操作できるコーナーを設けた。発売開始は9月で注文も順調に伸びているという。
八重洲無線は、5月に米国で開催された「ハムベンション2018」で発表したHF/50MHz帯のハイブリッドSDRトランシーバー(100W出力)のFTDX101Dを展示したほか、同モデルの上位機種としてFTDX101MP(200W出力)をパネルで初公表した。
同機種の「MP」は八重洲無線の創業者(故人)である長谷川佐幸氏のコールサイン“JA1MP”に敬意を表したことを強調し、説明パネルには「In Homage to Sako Hasegawa」と記載されていた。
価格は100WタイプのFTDX101Dが40万円程度、200WタイプのFTDX101MPは60万円程度。100Wタイプの発売時期は「今年11月から年末になりそう」とのこと。また200Wタイプはスピーカー付きの外部電源が付属するという。
このほかアツデンはEME用としてAC電源内蔵の144MHz帯500WリニアアンプのAZR-5002、および430MHz帯500WリニアアンプのAZR-5007を発表した。いずれも定格500Wを得るために必要なドライブ電力は25W。発売は年内を目標、価格はHF/50MHz帯リニアアンプのAZR-550FZと同程度(税込みで30万円を切る程度)を想定しているという。
またエーオーアールは各種デジタルモードに対応した広帯域受信機、AR-DV1を無線LANで接続したタブレットから操作できるインターフェース(タブレット アプリ向け Web APIアダプタ)「AR-DV1 Tablet App Interface」を参考出品した。発売時期や価格は未定とのこと。
↓「ハムフェア2018」に関するまとめページはこちらをクリック!
●関連リンク:ハムフェア2018(JARL Web)
●いったん広告です: