ハムフェアの会場を丹念に見て回ると、一品モノのジャンク品はもちろん、ハムフェアならではの思わぬ展示物や頒布品などに遭遇することが少なくない。今回、会場で見つけた中から、hamlife.jpスタッフの独断で“気になったモノ”を紹介していこう。
会場を歩いていると、多くの無線家が胸に光るコールサインプレートを付けている。それが電光掲示板のように、右から左へと文字が流れ行く。高輝度LED仕様なのかかなり明るく光って否が応でも目立つこと間違いない。よく見ると、文字の色も赤や緑、青と3タイプあるようだ。
販売していたのは「画像通信クラブ」(ブース番号:C-090)にまがりして出展していた「でんきがらくた愛好会」だった。LEDネームプレートに好きな文字をパソコンで書き込みしてもらえて、赤タイプが1,500円、緑と青タイプが1,600円。
LEDネームプレートの裏側には安全ピンとマグネットが付いている。通販サイトのアマゾンでも同等の製品が販売されているので興味のある方はチェックしてみてはいかがだろうか。
“Densin robot Send a heart”と書かれたポストカードを用意して、「ハム仲間のオアシス」(ブース番号:C-101)で見つけたのは「伝心(でんしん)ロボット」。木製の指を器用に操ってモールス符号を打つ模型である。
製作者の岡村潤一氏(JF1RWZ)によると、「2016年ドイツのフリードリヒスハーフェンで開催されるHam radioにてプログラミングされ、指でキーを打つ電信ロボットが展示されていました」「これはステッピングモーターを利用したデジタル処理された物でしたが、指の動きがとてもリアルで感動しました」「私も似たような物を作りたいと考えましたが、私はアナログ人間なので、高度な技術は使わずにDC1.5Vのアナログ(マブチ)モーターと輪ゴムを利用して作りました」という力作だ。
もっとも苦労したのが、「DCモーターの動力を輪ゴムを利用してキーを打つ指を引っ張る力に変えるところ」だという。指はホームセンターで半円柱の木材を購入し、一から製作。製作期間は3日間を要したととのことである。
今回でハムフェア3回目の出品とのことなので、タイタニック号遭難信号を打つその動きに興味のある方は、来年出会えるかもしれない。
●伝心ロボット(クリックするとスタートします)
「トーキョーマートクラブ」(ブース番号:C-062)に展示されていたのは、貴重な旧日本軍の「海軍TM式軽便無線電信機」。横浜旧軍無線通信資料館館長の土居 隆氏(JA1STJ)が同資料館のコレクションの中から展示したものだ。
本機は海軍陸戦隊用の携行式簡易無線電信機(兵2名で運搬可能なトランク型)で、大戦終了まで陸戦部隊、各種鑑定(停泊時)、見張り所といった海軍関係の各部所で広義に使用された。
●「海軍TM式軽便無線電信機」主な諸元
用途:近距離通信用
周波数:2500~5000kHz/5000~10000KHz
通信距離:5km
電波形式:A1(電信)
送信出力:2W
構成真空管:直熱管UX-112A×2本(または傍熱管UY-76×2本)
送信構成:自励発振/直接輻射、UX-112A×2本並列使用
受信構成:オートダイン式、検波UX-112A、低周波増幅UX-112A
電源:蓄電池6Vおよび乾電池135V(または交流電源)
空中線:ロングワイヤー式(内蔵式)
ハムフェア初展示となったのは陸上自衛隊の「非常災害車両」。三菱自動車のパジェロをベース車両にした「73式小型トラック」だ。気になるのは搭載されている通信機器だろう。ユニット式の装備が後部座席に鎮座。アンテナを見ると30MHz帯あたりを使用しているようだった。
ハムフェア2日目には、初日には見られなかった広帯域多目的無線機(携帯用I型)や、ディスプレイ付きの広帯域多目的無線機(車両用)が新たに展示されていた。
アースもいらず、小型なのにHF帯が手軽に楽しめる「GAWANT(ガワント)」(通称「しながわアンテナ」)の60本限定販売で話題を呼んだ「しながわハンコ倶楽部」(ブース番号:C-016)では、「ハンディ機用USB充電ケーブルキット」が700円で頒布されていた。
これは携帯電話などの充電用に安価で売られているACアダプターや、パソコンのUSB端子から5Vを取り出して、ハンディ機などを充電するケーブルキット。キットはアイコムやアルインコ用と、八重洲無線用の2種類が用意されていた。
会場で出会った“お宝ジャンク”ハンターの厨子さん(JA1KRY ex JR0JGZ)。自宅には760台以上のコレクションがあるという強者。
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●関連リンク:
・アマチュア無線局JF1RWZの愉快な仲間たち
・横浜旧軍無線通信資料館
・しながわハンコ倶楽部
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