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束草は朝鮮戦争勃発前は北朝鮮の支配地域でした。宿舎から「境界」には車で1時間ほどと近いことから、大会行事としてDMZ(Demilltarized Zone、非武装地帯)見学がありました。北朝鮮を望むことができる高城統一展望台は民間人出入統制線内にあることから見学者名簿を提出し、小銃を携行した軍人による検問所を通過するというもので、軍事施設の撮影禁止も指示される物々しいものでした。北朝鮮の核開発で脅威が高まる一方で米朝首脳会談の開催、韓国政権は親北路線と融和ムードが高まっていますが、現場は一瞬も油断が許されない最前線でした。
展望台には各宗教にちなんだ統一を願う像などが北に向いて建てられ、近くのDMZ博物館には「鳥は自由に往来できるが、人はできない」との展示があって分断国家の悲しみが伝わりました。戦死者追悼施設でもあるソウルの戦争博物館には朝鮮戦争での18か国40,790名の国連軍戦士者名が刻まれ、展示の冒頭に「平和な時に戦争に備えろ」とあり、北朝鮮軍により多くの市民が殺され、北に連れ去られた悲劇を伝えていました。
大会前に緊張が高まった際は、参加各国から「無事に大会を開催できるのか?」との不安の声が多くありました。開催されるとの前提で粛々と参加準備を進めましたが、アマチュア無線に限らず趣味を楽しむには自由と平和が重要であることを改めて感じさせられた大会でした。
●関連リンク:
・第19回世界ARDF選手権大会 公式サイト
・ARDF日本 競技地図などを掲載
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