東西冷戦末期を舞台に、キューバで暮らすアマチュア無線家(セルジオ)と、ソ連が打ち上げた宇宙ステーション「ミール」に長期滞在する宇宙飛行士(セルゲイ)のアマチュア無線を通じた友情、そしてソビエト崩壊で地球に帰還できなくなってしまったセルゲイを救うための“予想外の大作戦”を描いた洋画「セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!」が2018年12月1日(土)から全国で順次公開される。アマチュア無線による交信シーン(音声、モールス)も多数出てくる、無線ファン注目の映画だ。
配給元からの資料によると、この映画は2017年のスペイン・キューバの共同制作で脚本・監督はエルネスト・ダラナス・セラーノ。日本語字幕版で上映時間は93分。以下、あらすじを紹介しよう。
12/1公開『セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!』本予告(YouTube) 画像をクリックでスタート
「セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!」あらすじ
1991年。ベルリンの壁崩壊から始まった社会主義陣営崩壊の波は、本家のソビエト連邦にも達しつつあった。その余波はソ連の友好国であるキューバ共和国を直撃し、国民は深刻な経済危機に苦しんでいた。モスクワの大学でマルクス主義哲学を修め、大学で教鞭を執るエリート共産主義者のセルジオ(トマス・カオ)ですら、幼い1人娘のマリアナと母の食費に事欠く有様だ。アマチュア無線愛好家の彼はキューバでは報道されない不都合な情報をNYの無線仲間ピーター(ロン・パールマン)から教えてもらい、生き残る道を探っている。
ソ連の激動に翻弄される男は、宇宙にもいた。ソ連が誇る宇宙ステーション「ミール」に長期滞在中の宇宙飛行士セルゲイ(ヘクター・ノア)だ。母国の政変のために帰還無期限延長を宣告され、事情を知らない国民は彼が宇宙連続滞在日数の世界記録(当時)を更新する!と大騒ぎしている。蚊帳の外に置かれたセルゲイは孤独を紛らわすように無線で青い地球に語りかけていた。
「CQ CQDX こちらU5MIR」
聞こえるのは雑音だけだった。
セルジオの苦境を心配したピーターから、最新式無線機のサプライズギフトが届く。初めて声で交信する2人は会話が止まらず、深夜まで雑談にふける。翌日、つけっぱなしだった無線機から雑音混じりのコールが流れてきた。セルジオが「こちらはCM2CU」と答えると、「CQ CQDX こちらU5MIR」の声が。交信は短時間だったが、セルジオは宇宙飛行士と会話できた!と大興奮。セルゲイもロシア語で雑談を交わせるセルジオとの交信につかの間の安らぎを得るのだった。セルジオは早速ピーターに快挙を伝えるが、ピーターは手間のかかるモールス信号では明かせなかった家族の事情に苦しんでいた。
いつ途切れてもおかしくない電波を受信して、夜な夜な語り合うセルジオとセルゲイ。ふたりはいつしか国境も身分も大気圏すら越えて親友になっていた。12月、ソ連は崩壊してロシアとなり、政局も国民も混乱状態に陥る。不安を訴える家族の元へ早く帰りたいと願うセルゲイのために、セルジオは世紀の一大プロジェクトを思いつく。かつて熾烈な冷戦を繰り広げたアメリカをセルゲイ救出作戦に巻き込もうというのだ。果たしてかつての超大国は団結できるのか!?
映画には日本製や米国製などのアマチュア無線機も登場。予告編を見ると音声交信シーンではフォネティックコードも使用。ミールの宇宙飛行士であるセルゲイは、映画のモデルとなった実在するソ連の宇宙飛行士(セルゲイ・クリカレフ)のコールサイン「U5MIR」を踏襲していることがわかった。
映画の詳細は下記関連リンク参照。各地の映画館における上映スケジュールも順次掲載されている。
●関連リンク:
・映画「セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!」特設サイト(配給:アルバトロス・フィルム)
・映画「セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!」上映スケジュール
・12/1公開『セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!』本予告(YouTube)
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