北欧にある森と湖の国、フィンランド。今年(2018年)ここにHFのアンテナや無線機、リニアアンプなどを完備したレンタルシャック「OH73ELK」が誕生したのをご存じだろうか。「日本のアマチュア無線家の皆さんもぜひ訪れてください」というオーナー(UA1AJD Alex氏)からの依頼により、その全貌を紹介しよう。
レンタルシャック「OH73ELK」紹介動画(YouTube) クリックでスタート!!
レンタルシャック「OH73ELK」はフィンランド南東部、南サヴォ県の都市、サヴォンリンナの郊外にある(北緯62度16分12秒、東経29度7分23秒、グリッド・ロケーター:KP42ng)。ヘルシンキ国際空港からは約380km、車でおよそ4時間20分の距離だ。
周囲は湖と森に囲まれ、湖畔から10mのところに建設されている木造のコテージは2階建てで広さは約100平方メートル。世界的に著名なフィンランドのログハウスメーカー、ホンカによって2007年に建設されたもので、内部はリビング、バス、トイレ、キッチン、複数の寝室など、快適な居住に必要なすべての近代的な設備が整えられている。また車で10分程度のところに、スーパーマーケットやレストランもあるという。
シャックはコテージの2階にあり、次のような設備を用意している。周囲にQRMの原因になるようなものはなく、クリアな状態でアマチュア無線が楽しめる。なおコールサインOH73ELKの「ELK」は、この地に生息する大型のヘラジカ(elk)に由来しているそうだ。
<無線機器>
・無線機:アイコム IC-7300
・ローテーター:八重洲無線 G-1000DXA
・ヘッドセット:Heil BM-10 iC
・フットスイッチ:Heil FS-3
・CWパドル
・SWR&パワー計:ダイワインダストリ CN-501H2
・アンテナ切替器:RQUAD(8本のアンテナに対応)
・リニアアンプ:ロシア製 R-140 Max1.5kW(special agreement)
<アンテナ>
・20/15/10mバンド用フルサイズ八木
・80mバンド用 逆V
・40mバンド用 逆V
・17mバンド用 逆V
・40~20mバンド用 GP
・実験用アンテナを高木に吊り上げるためのロープあり
アマチュア無線以外に、湖畔で釣りやモーターボートを楽しんだり、庭でバーベキューをすることもできる。フィンランドは自然の恵みを誰もが楽しむ権利(自然享受権=Everyman’s Right)が法律で認められている。自然に敬意を払い、土地の所有者に迷惑をかけない限り、誰でも自由に森の中へ入ってキノコやベリーなどを収穫したり、森林を歩き、スキーやボート、サイクリングを楽しむことができるほか、湖や川で泳ぐことも可能だ。家族連れで訪れるにも絶好の場所だろう。
このレンタルシャックは、1年を通じて6~8人まで利用可能だ。レンタル料金はこの地域の標準的なもので、サウナ、グリル、薪、モーターボート(ヤマハ製)、釣り竿、その他の特典や無制限Wi-Fiも含まれている。シャックの使用にも追加料金は発生しない。具体的な料金は滞在期間や滞在時間、ゲスト数によって変わるので、メールで問い合わせ( 英語がドイツ語で info@OH73ELK.net 宛て)して欲しいとのことだ。
日本とフィンランドは、アマチュア局の相互運用協定(相互認証)を締結しているので、事前にフィンランド通信規制庁(FICORA)へ手続きを行うことで、日本のライセンスをベースとした同国内でのアマチュア無線の一時的な運用が可能になっている。
日本からヘルシンキまでは、直行便でおよそ10時間半。日本航空が成田と関空から、またフィンエアーが成田、関空、中部の各空港から、それぞれ毎日就航している。この機会にフィンランドへの旅行とレンタルシャックの利用を検討してみてはいかがだろうか。
●関連リンク:
・OH73ELK Amateur Radio Island
・Amateur Radio Holiday in Finland(YouTube)
・OH73ELK(QRZ.com)
・APPLICATION FOR TEMPORARY AMATEUR RADIO LICENCE(FICORA)
・海外でアマチュア無線を楽しもう(JARL)
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