2018年12月14日(金)、年間三大流星群のひとつ「ふたご座流星群」がピークを迎える。条件がよい年は1時間に30個前後、一晩で500個近いの流星が目視できるということで、観測と情報交換のための特設ページを設置しているWebサイトもある。今年は13日(木)の夜から目視による観測が可能になり、14日の21時前後に極大を迎え、活発な状態は17日頃まで続く見込みだ。この機会にVHF帯での流星散乱による遠距離通信や、FM放送のDX受信に挑戦してみてはいかがだろうか。
「流星散乱通信」は「流星バースト通信」とも呼ばれ、流星が大気圏に突入して発光した際、周辺の大気が一時的に「電離層」のような高密度の電子層を形成。これがVHF帯の電波を反射(散乱)させて通信ができることを利用したもの。ただし持続時間は数秒程度(長くても十数秒)と非常に短いので、お互いの運用周波数の事前確認や、短い交信が基本となる。
アマチュア無線の場合、流星散乱通信は、おもに50MHz帯で実験が行われている。交信は難しくても、外部アンテナを接続した受信機を用意し、全国各地に設置された50MHz帯ビーコンの周波数や、遠距離に位置するFMラジオ局の周波数をモニターしてみると、流星に合わせて信号が一瞬聞こえてくることがある。このチャンスにぜひ試してみてはいかがだろうか。
今回の2018年ふたご座流星群は、ピークが14日21時頃と予測される。夜半には月が沈むため目視での観察も可能で、13日の夜から15日の明け方までが観測に適しそうだ。
また「流星電波観測国際プロジェクト」のWebサイトでは、「電波観測では間違いなく、年間最大の流星群です。対地速度も早くなくロングエコーが少ない分、エコーそれぞれが分離できます。日本では、輻射点がほぼ天頂を通過することから、電波観測特性の「天頂効果」が起き、輻射点が南中する1時~3時付近ではエコー数はガクッと落ち、また元の出現数に戻ります」「好条件で観測できます。特に14日~15日は、流星エコー数・ロングエコー数共に増えるでしょう。このほか12日~13日、13日~14日あたりもエコー数は伸びるでしょう。10日頃からは活発になってきます」と解説している。
ふたご座流星群の観測や、流星の電波観測に役立つサイトを下記関連リンクにまとめておこう。
●関連リンク:
・流星バースト通信(Wikipedia)
・流星電波観測国際プロジェクト
・特集 2018年ふたご座流星群(AstroArts)
・ふたご座流星を観察しよう2018(国立天文台)
・50MHzリアルタイム情報
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