2019年1月11日、総務省は2018年10月末と2018年11月末のアマチュア無線局数をぞれぞれ公表した。それによると前回発表された2018年9月末のデータから2か月間で“2,382局”減少し、41万7,842局となった。一方、一部有効期限の残っている局を除き2015年11月末で使用期限を迎えた「パーソナル無線」は、2018年11月末の時点で1,032局が免許登録(2018年9月末時点は1,123局が免許登録)している。この2か月の間に91局が廃局となったと思われる。

2013年4月末から2018年11月末までのアマチュア局数の推移。2018年9月末から2018年11月末の局数でみると、2か月間で“2,382局”減少した。ピーク後に最高となった2016年3月末の43万6,389局から、2017年12月末を境にして減少スピードが加速している状況がわかる
アマチュア局は、1995年3月末に過去最高の136万4,316局を記録したピークから増減を繰り返し、ピーク後に最高となった2016年3月末の43万6,389局から“ピーク後最低局数”を更新し続けている。
直近では、減少スピードが再び加速していていることを以前から伝えているが、実は2011年3月11日に発生した「東日本大震災」で携帯電話、警察・消防無線など公共の通信網に甚大な被害が及んだ際、アマチュア無線が緊急時の連絡手段として機能したことがマスコミなどを通じて伝えられたことから、アマチュア無線従事者の資格取得や、開局(開設)ラッシュが起きたと考えられる。
2011年11月まで、ほぼ毎月1,000局以上のアマチュア局の減少が見られたものの、2011年12月は前月との差が680局減少と、このタイミングを境に徐々にではあるが下げ止まりが見られた。さらに2013年4月には、前月との差が310局のプラスに転じている。
その後は、増加と減少を繰り返しながら推移。グラフでもいままで急激な減少が、突如安定(減少スピードが鈍化)している様子がわかるだろう。しかし、2017年12月、前月との差が1,032局減少。前月との差が1,115局となった2012年8月から、数年ぶりに1,000局以上/月の減少数を記録した。
あくまで仮説だが「東日本大震災」による開局ラッシュから5年経過したタイミングに一致するのではないだろうか。震災をきっかけに、アマチュア無線の資格を取得、または再開局してアマチュア局を開設したものの、無線局の有効期間である5年を過ぎ更新を行わなかった無線従事者が多かったことから、再び減少スピードが加速し始めたと推察できる。
●2018年11月末、アマチュア局の各エリア(管内)局数内訳
・1エリア(関東管内): 120,073局(120,676局)
・2エリア(東海管内): 55,046局(55,469局)
・3エリア(近畿管内): 50,021局(50,256局)
・4アリア(中国管内): 25,880局(26,093局)
・5エリア(四国管内): 19,216局(19,292局)
・6エリア(九州管内): 35,205局(35,592局)
・7エリア(東北管内): 44,196局(44,386局)
・8エリア(北海道管内):38,051局(38,203局)
・9エリア(北陸管内): 10,323局(10,348局)
・0エリア(信越管内): 17,411局(17,479局)
・6エリア(沖縄管内): 2,420局(2,430局)
※カッコ内の数字は2018年10月末の局数を表す
●2018年11月末、パーソナル無線局の各管内局数内訳
・関東管内: 307局(269局)
・東海管内: 67局(72局)
・近畿管内: 49局(52局)
・中国管内: 63局(69局)
・四国管内: 27局(27局)
・九州管内: 174局(187局)
・東北管内: 217局(217局)
・北海道管内: 92局(92局)
・北陸管内: 28局(28局)
・信越管内: 35局(35局)
・沖縄管内: 11局(11局)
※カッコ内の数字は2018年10月末の局数を表す
●統計情報におけるアマチュア局の登録数推移
●関連リンク:
・無線局統計情報(総務省)
・Internet Explorer上でExcelファイルを開いた場合に発生する事象について(総務省)
・東日本大震災(ウィキペディア)
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