総務省は2019年12月28日から2019年1月18日まで実施した「電波利用料の見直しに係る料額算定の具体化方針(案)」への意見募集に対して、提出された意見と同省の考え方を1月5日に公表した。意見提出者数は電気通信事業者5件、放送事業者98件、新聞社1件、その他4件、個人299件の合計407件に及んだ(提出意見数は提出意見者数として算出)。アマチュア無線に関する意見は個人から1件あり、「アマチュア局についてより一層の減免処置を望む」というもの。その意見に対する総務省の考え方はそっけないものだった。
電波利用料は、電波の適正な利用を確保するため、電波法に基づいて国家が無線局の免許人から徴収する料金のこと。日本では、当時の郵政省が1993(平成5)年5月1日から導入した。当時のアマチュア局は年間500円だったが、2008(平成20)4月1日より、従前の500円から300円へと値下げした経緯がある。
直近の2016(平成28)年度の電波利用料の財源は歳入額が762.7億円、歳出額618.3億円にも及ぶ。これらの予算で、身近なところでは、総務省が日本全国に配置している電波監視システム「デューラス(DEURAS:Detect Unlicensed Radio Stations)」の運用などが行われている。
総務省の発表内容は以下のとおり(一部抜粋)。
「電波利用料の見直しに係る料額算定の具体化方針(案)」に対する意見募集の結果
総務省は、「電波利用料の見直しに係る料額算定の具体化方針(案)」について、平成30年12月28日(金)から平成31年1月18日(金)までの間、意見募集を行いました。その結果、407件の意見の提出がありましたので、提出された意見及び意見に対する総務省の考え方を公表します。
1.経緯
総務省は、次期(平成31年度から平成33年度まで)における電波利用料の見直しに関して、平成29年11月から「電波有効利用成長戦略懇談会」(座長:多賀谷 一照 千葉大学名誉教授)を開催し、平成30年8月末、同懇談会報告書が取りまとめられました。
今般、同懇談会報告書を踏まえ、次期電波利用料の料額算定における考え方について、「電波利用料の見直しに係る料額算定の具体化方針(案)」を作成し、当該案について平成30年12月28日(金)から平成31年1月18日(金)までの間、意見募集を行いました。
2.意見募集の結果
意見募集の結果、407件の意見の提出がありました。提出された意見及び意見に対する総務省の考え方は別添のとおりです。
3.今後の予定
本具体化方針に基づいて電波利用料の見直しを行い、電波法改正案を通常国会へ提出する予定です。
公表された資料の中に、アマチュア無線に関して「アマチュア局についてより一層の減免処置を望む」と、個人からの意見が1件だけ確認できたが、それに対する総務省の考え方はそっけないものだった。
・アマチュア局についてより一層の減免処置を望みます。アマチュア局は運用場所ごとに無線局を開設する必要があり、同一免許人が複数の無線局を保有していますが、同時に運用できるのは一局のみであり、無線局の数に比例した税を負担しています。また、アマチュア局の周波数は世界的に同一であり、相互に通信を行っているため、周波数の分配を日本の法律でのみ決定できるものではありません。極端な例を考えれば、たとえ日本でアマチュア局が廃止されたとしても、隣国の通信を確保するために、その周波数を分配することはできないと考えます。
・上記理由により、現行の300円/年の数分の1の金額が妥当であり、租税徴収の費用等鑑み、無償とすることも検討に入れていただきたい。【個人】
それに対する「総務省の考え方」は、「頂いた御意見については、今後の参考とさせていただきます」とそっけないものだった。
詳しくは下記の関連リンクから確認してほしい。
●関連リンク:
・総務省 「電波利用料の見直しに係る料額算定の具体化方針(案)」に対する意見募集の結果
・総務省 提出された意見及び意見に対する総務省の考え方(PDF形式)
・総務省 電波利用料の見直しに係る額算定具体化方針(PDF形式)
・総務省 電波利用料
・総務省 電波利用料の歳入・歳出状況
・電波利用料(ウィキペディア)
●いったん広告です: